常に切り替えの速さと出足で上回った東京V
4連敗vs4連勝。試合開始前の勢いがそのまま結果に表れてしまった。
キックオフから秒針が一回りもしないうちに試合が決まった。横浜FCの右サイド、中盤でボールを奪った東京VがSBの裏に杉本を走らせる。カバーに出た楠元に余裕はあり、後ろから石井が追い掛け、中では準備する時間も十分にあった。しかし詰め切れずに上げられたクロスは、GK南の頭上を越え、ファーに飛び込んだ高木大は完全にフリーだった。横浜FCとしては「試合前に『気持ちを入れて、球際を絶対に負けないようにしよう』と言っていた」(寺田)はずだったが、あまりにも緩い入り。脅威としてチームで認識していたはずの、前線からの激しいプレスと最終ラインの裏を突くショートカウンターでまんまとやられた。切り替えの速さと出足で常に上回った東京Vは、同じように高い位置で奪って裏を突き、前半だけで3得点。後半、横浜FCは黒津の投入で前線は活性化したが、前掛かりのぶんピンチも増えた。69分に横浜FCはパク・テホンを投入して3バックを敷くが、練習でやったこともなければ、ハーフタイムに説明もなかったという。放り込みでやられているならともかく機動力でスペースを突かれている状況で、この布陣変更は混乱をもたらした。その後、東京Vの安在に2ゴールを許すなど終了までなす術なく失点を重ねた。
試合後、横浜FCのミロシュ・ルス監督は「指導者を23年やっているが、これほど大差の試合は初めて。なぜこうなってしまったのか、答えるのは難しい」と力なく語り、ある選手は「(チームが)バラバラになってしまっている」とうなだれた。自動昇格圏に勝ち点2差と迫った東京Vと、残酷なまでに明暗は別れた。(芥川 和久)