■柏レイソル
的確なサポートで攻撃力を上積みできるか
柏が抱えている目下の課題は攻撃力の上積みだ。J1・2nd第5節の前節・湘南戦は0-3で大敗したが、守備陣のミス、相手のカウンターは「崩し切る力がなかった」(輪湖)ことにも遠因がある。主将の大谷は「暑さもある中で、人を追い越すところが少なくなっている」と直近の戦いを反省する。
2ndステージの5試合を振り返ると、3つの完封勝利など、ポジティブな要素もあった。しかし攻撃の迫力は一貫して不足している。
チームはこの中断期間に、追い越す動きを重視した練習メニューで、受け手の意識を高めた。「(前線にパスが)入ることを予測して、追い越すトレーニングが多かった」と大谷は振り返る。相手のゴールに近付けば、守備も厚くなる。的確なサポートで攻めの厚みを出すことが相手を崩し切る前提だ。
人の動きが乏しければ、ボールを持つ選手にプレッシャーが集中する。柏が攻撃の出発点に使うアンカー(中盤の底)は、しばしばつぶしの狙いどころにされる。しかし、CBやSBがアンカーを追い越してボールを持ち出せば、マークははがれやすくなる。「(鈴木)大輔やエドゥ(エドゥアルド)が持ち出したときは、アンカーがそこを埋めるローテーションも必要」(工藤)なことは当然だが、追い越す動きが活発になれば、相手の守備は後手の対応を強いられる。それが最終的にはチームをラクにするだろうし、守備の堅さにもつながる。
奪った瞬間の動き出しでスペースを突き、神戸の守備を動かしてさらに次のスペースを陥れる。そうした連続した攻撃でゴールを奪い、併せて相手のアタッカーを消す―。
それが柏の神戸戦に向けたチャレンジだ。(大島 和人)
■ヴィッセル神戸
柏のポゼッションに焦れずに戦えるか
中断前最後の試合となったJ1・2nd第5節・広島戦は0-4の大敗だった。ネルシーニョ監督は試合後、「個のミスを繰り返してはいけない」と選手たちに伝えたという。積み上げてきた守備組織を支えるのは選手一人ひとり。対面の敵に負けないことが原則だ。前々節・G大阪戦(1●2)で一発退場した相馬は「チームに迷惑をかけた」ことを悔いる。ただ、「あらためて見返しても、あそこ(球際)はやっぱり行かないといけない」と振り返った。球際への行き方に反省はあっても「球際に強く行く」(相馬)という今季のコンセプトは揺るがない。個々の覚悟のトライが和を育て、歓喜を最大値に引き上げる。中断期間を経て、神戸の“オーガナイズ”がリスタートする。
今節は1stステージ開幕戦を0-1で敗れた柏と対戦する。その際は相手の[4-1-4-1]に対し、中盤3枚がマンマークで付く[4-2-3-1]を採用。先週の練習ではこのマッチアップを試すシーンもあった。また、前節・広島戦の後半途中から採用したCBの中央に岩波を配する[3-4-2-1]も現実的だ。前回の反省を踏まえた[4-2-3-1]か、長く戦ってきた3バックか。どちらを採用するにせよ、柏のポゼッションに対し、焦れずに戦えるかどうかは大きなポイントだ。
9日の練習試合で2ゴールした石津は言う。「初めてなくらい監督に『ナイス』って言われた」と得点シーンを振り返り、自らのプレーに新たな発見を得た。岩波は「中断期間はハードな練習ができた」と充実感を口にする。選手それぞれの気力は充満し、2連敗する中で勝利への欲求も高まっている。神戸は「タイトルを目指す中での戦い。勝ち点を重ねなければいけない」(ネルシーニョ監督)一戦に臨む。(小野 慶太)