ネルシーニョ、システム変更で素早く修正を図る
パスワークに長けた川崎Fの攻撃をいかに封じるか。今節の神戸に与えられた大きなテーマだった。ただ、前半は川崎Fがシンプルかつ効果的に神戸陣内で暴れた。「気にするとボランチが遅れるし、行かないとパスを出された」と三原。神戸のボランチが”気にした”のは川崎Fのエウシーニョ。森岡、三原のボランチは対面の大島、中村のマークが第一の役割。その裏はCBがケアすることになるが、CBの中央を務めるチョン・ウヨンが自身の役割のつぶしを担い切れない中間ポジションにエウシーニョが侵入。川崎Fは中央の3人で容易に起点を作り、神戸の守備網を翻ろうした。 それを見据えたネルシーニョ監督は手を打つ。「(エウシーニョの)受け方、絡み方が危険な状況になっていた」ことを踏まえ、チョン・ウヨンを一列上げてアンカーに据える[4-1-4-1]にシステムを変更。あらかじめCBの前のスペースを消し、森岡、三原が大島、中村のケアに専念できる環境を作る。直後の41分にレアンドロがCKから巧みなヘディングで先制ゴールを挙げると、「前半に我慢できたことが大きい」と相馬が話す“良い守備から良い攻撃”という神戸のスタイルは一層、研ぎ澄まされた。
ノエスタ特有のピッチコンディションは、川崎Fのポゼッションを苦しめた。ただ、それでも巧みにボールを回し、大島、中村がポゼッションの起点を担う。だが、73分に杉本が決定的なチャンスを外すと神戸は83分、選手たちが「70〜80%ではなく100%で」(相馬)カウンターする指揮官の要求を体現。最後は渡邉が決定的な2点目を叩き出した。
試合後、森岡は「ホッとした感はある」と溜飲を下げる。3連敗中の神戸は強敵を撃破し、J1リーグのホーム100勝を達成。首位戦線に踏み留まった。(小野 慶太)