サッカーがチームスポーツであるゆえんをいま、愛媛はそのチームワークをもって証明している。
木山監督は単身で愛媛に移り住み、「僕の時間を(相手チームの)研究の時間に費やしている」と私生活さえもチームの勝利のために身を捧げる。そして、選手たちはそんな指揮官に全幅の信頼を置き、その口から発せられる勝利にこだわる言葉に真剣に耳を傾ける。それがいま、4連勝という結果となって表れているのだ。
今季、ここまでの試合でも木山監督の立てたゲームプランはおおむね理に叶い、時として相手チームを大いに苦しませた。それでも結果が思うほど伴わなかったのは、選手たちにそのプランを実行できるスキルとメンタルが十分に備わっていなかったからだろう。しかし、いまは違う。試合を重ねるごとにその実行力は上がり、結果が出ることで揺らいでいた自信も身に付いた。
前々節・C大阪戦(2○1)、前節・大分戦(1○0)では前半は守備で我慢し、豊富な運動量を生かして後半に勝負をかけた。しかし、今節は「傾向として(大宮相手に)アグレッシブにやっているチームが良いゲームをしている」(木山監督)と愛媛は立ち上がりから攻守両面においてアグレッシブさを貫いた。そのプランは見事的中。選手たちも忠実にそれを実行し、番狂わせの快勝劇を生んだ。
試合後の会見で「この勝利は木山マジックでは?」とのメディアの質問への木山監督の答えは明確だった。「誰よりも勝つために準備をしている自信はある。それはマジックでもないし、偶然でもない」。指揮官の綿密なプランと選手たちの忠実な実行力が伴えば、手にする勝利はいかなるときも必然的であると説いた。(松本 隆志)