前半は苦しむも、活発な意見交換で本来の力を発揮
ここ最近の涼しさから一転、真夏に戻ったようなねっとりとした暑さが体を包み込む。鹿島灘を望むカシマスタジアムには、太平洋から風が吹くはずが、この日は無風。気温28.1℃、湿度79%という厳しい気象条件がホームの選手たちを苦しめた。
前半は完全に山形のペースだった。対4バック用に練られた[3-4-2-1]は「やりづらかった」(昌子)だけでなく、「(山形が)この暑い中、運動量多く前から来ていた」(曽ケ端)ことで、鹿島は自陣から抜け出せない時間帯が続く。しかし、ワンプレーで状況は一変した。
40分、ゴール左のペナルティーエリアの角でボールを受けた土居がドリブルで相手守備網を切り裂く。深い位置から「ここに入ってくれというメッセージを込めた」クロスを逆サイドへ送ると、落下点に金崎が飛び込み、押されていた鹿島に先制点が生まれる。
決して狙いどおりの戦いではなかったが、ハーフタイムに活発に意見を交わして戦い方を再確認。すると、57分にはカイオのインターセプトから流れるように逆サイドまでパスをつなぎ、最後は右からのクロスに再びカイオが飛び込む完璧な崩しで追加点。さらに74分、カイオのトリッキーな股抜きから遠藤がダイレクトボレーを叩き込み山形を突き放す。終わってみれば3-0の完勝だった。「落ち着いてやれば本来できることを発揮できると思った。焦りとか過度な緊張状態にならないように、というのがお互いにかけ合った言葉だった」
後半の2得点に絡んだカイオがそう振り返る。殊勲の土居も「流れを感じ取って臨機応変にできるのが、いまの鹿島」と胸を張った。これで09年以来の5連勝。しかし、勢いに任せた勝利でないことが、その強さをより際立たせている。(田中 滋)