森下監督は試合後の会見で「後半のキックオフのところからフワッとした選手が何人かいた」と指摘したが、それは後半立ち上がりだけではないだろう。前半からセットプレーに対するファーストアクションの緩さは顕著だった。65分の失点はその流れを断てなかったことが招いたモノ。鳥栖の良さと言えば組織としての総合力だ。決して個で優れた集団ではない。しかし、現状を「周りの仲間を助けられない」と菊地は話す。その要因は「全体的に下がり過ぎている」(菊地)こと。全体が良い距離感を保つことができていない。
対戦相手の中町は鳥栖の守備について「個々では戦っている。目の前の選手に来るという感じ」と話した。そして、「ピッチ状態が良ければもっといなしたりできたと思う」と続けた。つまりは連動してハメ込まれているという印象は受けていないようだ。中町の言葉どおり、目の前の選手に対する意識が顕著になり、SB、ウイングバックが引っ張り出されてその背後を使われる光景は3バックでも4バックでも改善できていない。この試合でも吉田、キム・ミヌの背後を突かれるシーンを最後まで修正し切れなかった。
連動してハメ込んでいかなければ後ろは押し上げられないし、その逆も然り。どちらかだけの問題ではないが同時にどっちつかずの状況にもなっている。植え付けてきた球際の意識は向上してはいるが、それをより生かすためにも指揮官の力量が問われる。(杉山 文宣)