1点を守り切った愛媛がクラブ新記録の5連勝
愛媛がJ1昇格プレーオフ戦線のダークホースに名乗りを上げたと言っていいだろう。ライバルとなる東京Vを下してプレーオフ圏に踏みとどまるとともに、その粘り強い戦いぶりでタフな昇格争いを生き抜く力があることを証明した。
パスサッカーを志向する愛媛だが、東京Vの激しい前線からのプレッシャーを回避すべく、立ち上がりは“ジャブ”代わりにシンプルに前線のスペースへと展開し、相手の攻撃をけん制した。それでも東京Vに多くの時間でアタッキングサードまでボールを運ばれて攻勢を許したが、それも想定の範囲内。だからこそ、「『これでいいんだ』というポジティブな我慢ができた」(西田)と精神的な優位さを保った。前半は自らのスタイルを変えてでもしっかり耐え、勝負どころと考えていた後半に失点ゼロで入ることができた時点でゲームは愛媛ペースだった。
そして後半に愛媛は動く。「自分たちの時間をしっかり作ろう」(木山監督)と前半のシンプルなサッカーから一転、リズム良くパスを回して相手を動かしながら敵陣に攻め入ると必然的にゴールは生まれた。53分、じっくりとボールを動かしつつ左サイドへ展開すると、内田が技ありの左足アウトサイドでクロスを供給。河原が頭で合わせたシュートは一旦はポストに嫌われるも、そのはね返りに西田が詰めて先制に成功した。その後は「守りたいという気持ちが強くなり、守るスタンスになった」(木山監督)ため、再び守勢に回るという課題は残したものの、それでも固く形成した守備ブロックを崩されることはなく、虎の子の1点を守って逃げ切り。クラブ新記録となる5連勝で価値ある勝ち点3に華を添えた。
一方の東京Vは攻勢の時間を長く作ったものの、最後の決めの一手を欠いて連敗。「見栄えは良かったかもしれないが、相手は苦しくなかったのでは」と指揮官は胸中のもどかしさを隠し切れなかった。(松本 隆志)