拮抗した展開の中、決定力の差が勝負を分ける
ホームで3試合ぶりに勝利した磐田。52分と59分に2得点を奪ったジェイが得点ランクのトップを快走し、さらに、今季から磐田に復帰した太田が75分に今季初得点を決めるなど、収穫はあった。しかし、手放しで喜べる内容ではなかった。スコア、シュート数ほど徳島を圧倒した感はない。「内容は悪かった」と反省を口にしたのはCBの森下。後半途中まではどちらに転ぶか分からない展開だった。
序盤から安定しなかったのは守備面だ。チームの約束事を再確認し、今節に臨んだ磐田。その一つがラインを上げ、前線からボールを奪いに行くことだった。しかし、「(徳島が)キム・ジョンミンへ長いボールを蹴ってきたところで、うまく対応できず、ラインが下がり気味になった」と名波監督。徳島のシンプルな攻撃は想定していたが、長身FWをつぶし切れず、ラインを下げさせられた場面が確かにあった。鋭いプレッシングがハマっていた場面もあったが、“思いどおりにいかないとき”の対応という点では、チームとしての共通意識がまだ薄い。
また、後半になると要所で足が止まる選手もおり、90分間相手にプレッシャーを掛け続けることは現実的に難しい。その中で守備をどうオーガナイズしていくか。主将・上田は「ボールに行く、行かないという判断が大事になる」と言い続けているが、プレッシングとブロック構築のバランスという点で、チームとしての“落としどころ”はまだ見えてこない。リーグ終盤戦のポイントの一つであるため、天皇杯によるリーグ中断期間でどこまで整理できるか。
対する徳島は今季ワーストタイの3失点となったが、「チャンスをモノにできなかったと捉えたほうがいい」と小林監督。その言葉どおり、前半は決定機の数で磐田を上回った。13分にはキム・ジョンミン、32分には濱田がいずれもポストに当たるシュートを打ったが、決め切ることはできず。この点が後半に響いた。この試合の勝敗を分けたのは、両チームの決定力の差だったと言っていいだろう。(南間 健治)