先制→完封勝利が続いた柏だが、失点で流れを失う
柏にとっては理想的な前半の45分間だった。27分にはエデルソンからクリスティアーノ、42分にはクリスティアーノから工藤という、質と連動の伴ったカウンターが2発も決まり、堅守の甲府から複数得点差を得たからだ。
しかし後半の入りに綻びがあった。工藤は「ロングボールに対して簡単にラインを下げて、セカンドボールを拾われてしまっていた」と展開を振り返る。48分には高い位置で甲府のバレーにポストプレーを許し、阿部拓にミドルシュートを決められてしまう。柏は2ndステージに入り、先制した6試合をすべてそのまま完封で逃げ切っていた。自信が結果を呼ぶという側面もあるが、この試合では逆に1失点のインパクトが強く出過ぎたのかもしれない。
後半途中から出場した栗澤も「前と後ろの距離が、前半に比べると開き過ぎてしまった」と反省する。バレーが高い位置で競る、受けるようになれば、甲府の攻撃全体が活性化してしまう。もちろん展開、状況に応じてラインを下げることはあっていいが、それならばFWやMFも含めて全体で下がらないとオーガナイズが機能しない。ディフェンスラインが下がったことで高い位置で競られ、さらに全体が“間延び”したことでセカンドボールも拾われる。柏は甲府に押し込まれた状態でのプレーが増え、それが70分の同点弾に至る遠因になった。
もちろん柏が3点目を狙う中で、攻撃陣が“行く”判断をすることは間違いではない。しかし戻るべき場所とタイミングの整理が、チームとして不十分だった。受け身の流れをどう立て直すか、柏が今後に向けて応用問題を与えられた甲府戦だった。(大島 和人)