クラブ初の快挙にも満足せず。ここはまだ「通過点」
第1戦で二つのアウェイゴールを決めた神戸。アドバンテージを得て迎えたホームでの第2戦は前半、柏の勢いに呑み込まれた。土砂降りの雨でピッチに水たまりができた中、「セーフティーという考えが大き過ぎて相手にボールを渡してしまった」と増川は話す。24分、渡邉の左への横パスが柏のキム・チャンスに渡ってしまう。右ワイドにポジションを取ったクリスティアーノへ展開し、ファーに挙げたクロスをエデルソンが頭で合わせ柏が先制。さらに31分、再びサイドチェンジからエデルソンと山中が左サイドを突破し、山中のクロスを工藤がヘディング弾。神戸は早々に第1戦で得たアドバンテージを失った。
ただ、神戸はその3分後にレアンドロが得点し、再び優勢に立つ。それでも柏の攻勢は続き、51分にまたもやサイドチェンジを起点に、エデルソンがこの日二つ目のゴール。増川は「相手のズレにこっちが対応し切れなかった」と唇を噛む。アウェイゴール数の差で柏がついに神戸を上回った。だが、58分にこの日の5得点目が生まれる。ペナルティーエリア手前のFKを森岡が直接決めて、再び神戸がリードする展開に。わずか数分の間に優位性が転じる白熱の攻防戦。降りしきる冷たい雨とは裏腹に熱気は高まり続けた。
追う柏は波状攻撃を繰り出す。防戦の神戸は粘りの守備で応じた。幾度も訪れる決定的なピンチをしのぎ切り、ようやく訪れた試合終了のホイッスル。2戦合計4-3。第1戦の勝者にとって幸せな、第2戦の勝者にとって無情の笛の音だった。
クラブ初となる準決勝進出を遂げた神戸。ただ、選手に浮かれる様子はなかった。「まだ通過点」と増川も相馬も口をそろえ、「ポジティブに捉えたいが試合は続く」と高橋峻。胸に宿した強い柏へのリスペクト。神戸は粛々と次への戦いを見据えた。(小野 慶太)