浦和復活。連動とプレスで柏を圧倒
ほぼ完璧な試合だった。スコアこそ1-0という最小得点差であり、その得点が生まれたのも88分とドロー決着が見えてきた際どい時間帯だったが、「90分をとおしてチームとしてやるべきことができた試合」(柏木)であり、「スコア以上の浦和の良い出来であった」(ペトロヴィッチ監督)。
8月29日のリーグ戦前節・横浜FM戦で0-4の大敗を喫したと思えば、続く2日のナビスコカップ準々決勝第1戦、アウェイの新潟戦でも0−5の大敗。6日の第2戦は特に後半、見事な戦いで3点を奪って勝利したが、5点ビハインドの劣勢でスタートするという稀有な状況であり、本当に“復活”と言えるかどうかは判断できなかった。
しかし、その3-0で勝利した試合で「走ること、球際で戦うことなど、やるべきことをやれば結果はついてくる」と再確認したチームは、この試合で立ち上がりからアグレッシブな戦いを見せた。
ペトロヴィッチ監督が試合前から意識付けしていたオフ・ザ・ボールの動きで相手のスペースを突きながら、あらゆるポジションで複数人が連動して攻撃をしかけた。ボールを失ったときも、練習どおりに前線からの激しいプレッシングでボールを奪い返す。柏にとってみれば、手も足も出ないような状況だった。いや、浦和が手も足も出させなかったと言ったほうが正しいだろう。
浦和としても試合を通して危ない場面がなかったわけではないが、それでも攻撃の回数やチャンスの数では浦和がはるかに上回った。時としてシュート数は試合内容を的確に表さないこともあるが、浦和の18本に対して柏の6本という差は、この試合の内容の差をそのまま表していた。
あくまで“ほぼ”完璧な試合であり、決定力や最後の精度を欠いた試合だったことは確かだ。それもある種、浦和らしいと言えるかもしれない。ただ、この試合に関しては称賛の意味をもってこの言葉を使いたい。これが浦和だ。(菊地 正典)