勝利を引き寄せた、FC東京の試合を“読む”力
「試合を読む」。FC東京のマッシモ・フィッカデンティ監督は、この試合の勝因をこんなフレーズで語った。意味をかみ砕けば、たとえ主導権を握ることができない時間帯があったとしても、しっかりと耐えて力の出しどころを見極めるということ。それは、青赤が神戸相手に見せた戦いと重複する表現でもある。
前半は神戸ペースで試合は進んだ。「前半から劣勢で、神戸はウチを研究してバイタルエリアに人数をかけてきた」(高橋)。3バック+2シャドーの[3-5-2]で臨んできた神戸の布陣はFC東京にとっては「想定外」(米本)だった。そこで、選手が判断し、トップ下の河野を少し下げて中盤中央の守備の耐久力を上げ、対応していく。「みんなそこで我慢して、という共通理解があった。そこからイメージどおり、理想的な点の取り方で先制できた」(森重)。前掛かりになった相手を受け止めつつ、スペースのある背後を狙う。後方からのビルドアップではなかなか攻撃を構築できないFC東京だが、38分の米本のインターセプトを起点に高橋が持ち上がり、前田が決めた場面は狙いどおりのショートカウンターが炸裂した。
両者、試合展開の手ごたえとは裏腹のスコアで迎えた後半。さらにFC東京の効率的な狙いが奏功する。左サイドのMFに東を投入し、そこを起点にしかける回数を増やすと、69分にはその東のアシストから前田が追加点。さらに78分にもカウンターから同じコンビで3点目。後ろに重心を置きながら、間延びした神戸の布陣のスペースを突く形でゴールを重ねた。「相手のボール回しはうまかった。ただ今日は本当に試合をよく読めた」。イタリア人指揮官は、最後まで選手たちの判断とプレーを褒め称えた。(西川 結城)