6連勝の鹿島を止めたのは沈黙を破った宇佐美
リーグ戦6連勝中の鹿島を止めたのは、長らく沈黙していた青黒のエースの49日ぶりの得点だった。
試合の立ち上がりは鹿島が好発進。中2日が二つ続く厳しい連戦ながら「逆にリズムを刻んだほうが試合にパッと入れることはよくある」と敵将・長谷川監督が話したように、1週間空いたG大阪を上回り高い位置からボールを奪う狙いどおりの形を見せた。
しかし、山村の不用意なミスからパトリックにゴール前まで迫られると、それまでの大胆さが消え、攻撃で押し込めなくなる。さらに「高い位置から結構来ていて引っかかっていたので、シンプルにパト(パトリック)を使おう」(丹羽)と、相手がシフトチェンジすると、それまでの前へ前へという動きが、後ろ向きに変えられてしまう。すると、徐々に疲労の色がにじむようになった。
とはいえ、この時点では一進一退。どちらもゴールに迫れない時間が続いた中、状況を一気に変えたのは宇佐美だった。29分、中盤でパスを受けると一気に加速。鹿島守備陣を中央から切り裂くと右足で鋭いシュートをゴールに突き刺した。さらに39分には遠藤康のパスミスからショートカウンターを開始。ゴール右の深い位置まで侵入しながらDFを翻ろうすると、体勢を崩したDFの足に当たったシュートはゴールイン。宇佐美自身「1点目も2点目も自分らしいプレーだった」と自賛するゴールで、あっという間にリードを2点に広げた。
後半、自陣に引いてカウンターを狙うG大阪に対し、前半シュート1本だった鹿島が反撃を開始。特に、62分にカイオが入ってからは圧倒的に相手を押し込んだ。しかし、G大阪の守備は堅く、崩し切れない。逆にカウンターからピンチを招き3点目を奪われてもおかしくなかった。1点を返したのは90分。新人の鈴木優がカイオのクロスを頭で合わせたが遅過ぎた。「天皇杯の疲れが思っていた以上にあった」と先発の構成に反省の弁を述べた石井監督。就任後初黒星を喫し、ステージ首位からも陥落した。(田中 滋)