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[ACL]柏、勇ましく“戦った”太陽王。しかし、あと2点が遠く

2015/9/18 14:19



チャンスがあったからこその、口惜しい終幕


 約6万人収容の広州天河体育中心体育場は、平日にも関わらず八分以上の入りだった。広州恒大はゴール裏こそJリーグでもお馴染みのチャントを歌う“日式”だが、一般客のリアクションに強烈な土地柄が出る。「ギャー」とも「ウォー」ともつかない中国特有の歓声が不穏に轟く完全アウェイだった。

 柏は12分、茨田のFKにクリスティアーノがヘディングで合わせて先制する。最低3ゴールが勝ち抜けの条件だった柏にとって、この時間にゴールを奪えたことは吉兆だ。しかしそこから流れは広州恒大に移る。鈴木は「割り切って中盤を下げて、コンパクトに保つときだというのは思っていた。守れているというイメージでやれていた」とこの時間帯を振り返る。ただ「あの失点を除いて…」(鈴木)。

 広州恒大は30分、リスタートから柏のスキを突き、ファン・ボウェンが同点弾。鈴木も「サイドの詰めが甘かった」と悔いる流れだった。

 2試合の合計で考えれば“ホームゴール”はそこまで大きく響かない。柏は後半に入ると相手を押し込む側に立ち、2年前(ACL準決勝第2戦・0●4)との違いを見せた。優勢を下支えしたのは相手に近い間合いで踏み込む鋭さ。吉田監督が「相手は大きいし速いし、力と力でぶつかっていく怖さもあったと思うけれど、怯まずやってくれた」と選手を称えるように、球際のバトルは柏が優勢に見えるほど。ファウルが増え、広州恒大の選手が痛んで退いたという側面もあったが、アウェイの苦境にあっても柏は間違いなく“戦って”いた。

 ボールを受ける、しかけるといった攻める勇気も表現していた。52分に小林、59分に鈴木、66分と81分にはクリスティアーノと惜しい場面は再三再四。柏が「自分たちが目指しているモノを表現できた」(鈴木)90分間だった。

 第1戦の結果(1●3)が響き、柏の世界へのチャレンジは終わった。強大な敵に勝ち切ることはできなかった。そんな結果と内容を鈴木は「より多くのチャンスは作れたし、3点取れるチャンスもあった。ただそのぶん悔しい」と振り返る。手ごたえと、やれたからこその口惜しさを持ち帰ることになった、アウェイの奮戦だった。(大島 和人)

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