■清水エスパルス
弱点を熟知した指揮官が3バック攻略に挑む
いまの状況を問われたとき、田坂監督は「ツイている」と表現。前節の鳥栖戦は、後半に猛攻をしかけながら相手GKのスーパーセーブに遭い、無念のスコアレスドロー。自身の初勝利は、またもお預けとなった。にもかかわらず前向きでいられるのは、残留を争う新潟、松本、山形が勝ち点3を積み重ねられず、状況はほぼ変わらなかったからだ。しかも、この先の日程を見ても、松本、山形との直接対決を残している。残留へのシナリオはまだまだ描けている。
その生命線は守備にあると言ってよいだろう。田坂監督就任後、まず求めたのは球際の厳しさだ。その理想の人材といえる角田が加わった守備陣はすべての試合で被シュート数を10本以下に抑え、チームを急速に立て直している。前節は8試合ぶりに無失点に抑えた。それでも「守備は6割方整理できるようになった。あと2割上げて8割、9割くらいにしたい」と、まだまだ伸びる可能性を示している。今節、強豪の浦和との一戦は最大のヤマ場。角田は「どうしても支配はされると思う」と厳しい戦いを予想している。浦和の流動的な攻撃に対して「リアクションでしか対応ができないが、コンパクトにしてボランチの助けも借りて守りたい」と引き締めている。
それでも、「点は取れると思う。大分のときですら3得点取った。4点取られて負けたけど」と田坂監督。13年J1第21節・大分対浦和のことだ。そこまで20試合で19得点と、1試合平均で1点を下回る苦しい攻撃陣が、前半20分までに3得点を挙げ3位の浦和を慌てさせた。現役時代には自ら3バックを操っていたため、3バックの弱点を熟知していることもあり、自信はある。
この“ツイている”時期に、勝利ももぎ取りたい。(田中 芳樹)
■浦和
相手を見下すことなく、自分たちの良さを出す
浦和が1stステージを制し、年間1位と2ndステージ優勝も目指している一方、清水は残留争いまっただ中のチーム。だが、「清水は良いチームだと思っている」と柏木が言えば、宇賀神も「鳥栖戦を見たけど、何で残留争いしているか分からない」と相手を下に見る様子はない。
ベースとしてやることは変わらず、横浜FM戦(J1・2nd第9節・0●4)、アウェイの新潟戦(ナビスコカップ準々決勝第1戦・0●5)と2試合連続で大敗したあとにホームの新潟戦(ナビスコカップ準々決勝第2戦・3○0)、柏戦(2nd第10節・1○0)、と内容も伴う勝利ができたため「走って戦うことの重要性を自分たちが一番感じられた」(梅崎)が、一つポイントを挙げるとすればチーム全体の守備の仕方だろう。横浜FM戦でプレスがハマらずに崩壊し、アウェイの新潟戦ではウイングバックを含めた最終ライン5枚、中盤4枚の[5-4]のブロックを敷いたが、「攻撃に行くのに時間が掛か」り、「やっぱり前から奪いに行ったほうがウチの良さは出る」(柏木)ことを再確認。ホームの新潟戦と柏戦はその2試合の「敗戦から学ぶことができた」(宇賀神)ために快勝につながった。その修正された守備、そしてその守備から攻撃への良い切り替えをこの試合でも披露できるか。
浦和は残留争いをする清水をむしろ警戒しているが、清水戦は現体制になった12年から3連勝中。昨年は4-1で完勝した。昨季まで清水でプレーしていた高木は清水にとってエコパがそれほどホーム感がないことも加え、「清水のほうがイヤなイメージがあるかもしれない」と話す。前節の柏戦と過去の清水戦。そのイメージの良さをさらに膨らませる戦いをしたい。(菊地 正典)