新潟はレオ・シルバ、加藤、川口の主力3人が出場停止。さらに前節・横浜FM戦(1△1)で負傷したコルテースも離脱するという苦しいチーム事情でこの一戦に臨んだ。しかし、「総力戦だった。みんなで『勝とう』と話していた」と平松は言う。そして試合の主導権を握ったのはアウェイの新潟だった。
その攻撃は極めて明快だ。指宿、ラファエル・シルバの2トップを生かしながら素早く縦にボールを運ぶ。6分にはこぼれ球を拾った平松がラファエル・シルバにスルーパス。ここはGK山本が好セーブでしのぐが、14分もラファエル・シルバのスルーパスに指宿が反応。神戸は精度不足に救われた。神戸とすれば、ブロックを組みボールを誘い込んでから速攻と遅攻を見極めたいところだったが、新潟の切り替えの速さ、球際の強さを前にリズムメークする余裕がない。3バックにシステム変更して安定を図るが、縦に急ぐ攻撃に終始。攻撃に掛ける人数が少なく、チャレンジ&カバーを徹底した新潟の最終ラインは神戸の攻撃をはじき返した。
ただ、先に得点したのは神戸。60分に「コースが空いていたので」と冷静に話す森岡が芸術的先制弾。前半から速攻の起点として魅了していた森岡がホームスタジアムに歓喜を呼んだ。ところが新潟はその4分後、前野のクロスを指宿が決めて早々に同点。そして、オープンな展開で互いがチャンスを作る中、85分、山本が「良いボールを出してくれた」と山崎に感謝するリターンパスから決勝弾。“総力戦”の気迫を示した新潟が祝福の雄叫びをあげた。
試合後の柳下監督も感無量の様子だった。「いつも言っているが、体を動かすのは(胸を叩いて)ここ。非常に良いゲームをやってくれた」。この結果、新潟は神戸を抜き、2ndステージの順位を10位に上げた。(小野 慶太)