途切れた連勝を再出発させるには勝利以外あり得ない中、きっちり勝ち点3を得たことは評価できる。得点こそ1点しか決まらなかったものの、5バックでゴール前のスペースを消す相手を、豊富なバリエーションで攻略しシュート19本を放った。甲府のGK河田の奮闘が、そしてバーやポストに嫌われることがなければ、もっと多くのゴールが生まれておかしくなかった。それでも、この試合最大のミッションは勝利すること。復帰戦となった柴崎は「正直に言うと、スコアはあまり気にせず1-0でも勝てればいいかな、とは思っていた」と振り返り、石井監督も「失点ゼロに抑えて相手よりも1点多く取って勝てたということは非常に良いことだと思う」と評価した。
しかし、どこかスッキリしない印象が残ったのも事実。確かに、チャンスを多く作り出し、質の高さを見せた戦いではあったが、相手を呑み込むような迫力はなかった。殊勲の決勝点を挙げた金崎は「なんとなく前の試合を引きずってる感じはあった」と首をひねった。
原因は守備だ。61分に金崎が得点を決めたあと、67分に甲府は二人の選手を同時に投入した。そこからチーム全体で相手を受けてしまい、流れがおかしくなる時間があった。西が鋭く指摘した。「後半の押し込まれた時間帯だけ、“ビビる”じゃないけど、“自分から”というのがなくなった。なんか重心が後ろというか、かかとになってた。それが気にくわない」
ファーストDFがきっちりボールに寄せることで相手を限定し、後ろの守備も優位性を持って対応することができる。前が寄せなければ後ろははじき返せず、後ろがはじき返せなければ前は心配で寄せられない。パトリック、バレーと巨漢FWとの対戦が続いたとはいえ、もう一度やるべきことを確認する必要がありそうだ。(田中 滋)