柏は再スタートを白星で飾れず
試合前に柏のサポーターが歌い上げたのはACL、クラブW杯用の応援歌である“柏から世界へ”だった。15日のACL準々決勝第2戦・広州恒大戦(1△1)で今季の世界へのチャレンジは終わったが、来季に向けた戦いはもう始まっている。2ndステージで優勝しチャンピオンシップを制すことで、来季も同じ舞台に立つというサポーターの願いが伝わってくる選曲だった。
ただ序盤、主導権を握ったのは最下位の山形。相手のプレス、外に押し出す追い方を警戒した柏は縦へのロングキックを多用した。しかし、「蹴らせてセカンドを拾い、自分たちのボールにする」(ロメロ・フランク)という山形の磁場から逃れられず、セカンドを取られたあとの対応も不十分。柏が数的優位となる中盤のインサイドも、山形の2シャドーにスペースを消され、思うようにボールを動かせない。
柏は特に相手のウイングバックを捕まえられず、3分に山田、12分に高木利に決定的なシュートを許す。しかし、山形も「ずっと課題」(フランク)というフィニッシュに難があり、スコアを動かせず前半を折り返す。
後半の柏は「クリさん(栗澤)がサイドにつられたとき、タニ(大谷)がアンカー気味に戻るようにハーフタイムに話した」(近藤)ことによる修正もあり、外への対応と、その次のリスク管理が一応は安定した。しかし、工藤が決定機を決め切れなかった。
試合後に柏のゴール裏から聞こえてきたのは激しいブーイング。2ndステージ制覇を目指すなら、勝ち点1は負けに等しいからだ。山形も残留に向けて上との差を詰められなかった。皆が体を張り、知恵を駆使した90分だったが、ゴールと、必要な結果はどちらも得られなかった。(大島 和人)