栃木は序盤から激しくボールへプレスに行くも、簡単に入れ替わられてピンチを招くシーンが続く。「何とかしなければという気持ちが強過ぎる気がした」(倉田監督)。前節の結果(C大阪戦・1●4)で降格圏に後退した影響か、気合いが空回りし、やや冷静さを欠くプレーを連発する栃木の選手たち。対する水戸はそんな栃木をいなすように確実に急所を突いていく。後方から早めにロングボールを入れて栃木の闇雲なプレスを外し、FW鈴木武が栃木のSBの背後で何度も起点を作った。押し込まれた栃木は堪え切れず21分に失点。後半は序盤こそ攻めたが51分にカウンターから鈴木武に決められて2点差に。いかにも厳しい戦況。万事休したかに思えた。
だが、直後に水戸のキーマン鈴木武が負傷交代すると流れが急転。「代わりに入ったFWが裏への抜け出しをあまりしなかったので正直対応がラクになった」(本間)。栃木の2列目、3列目が前向きにプレーできるようになると攻撃のリズムをつかみ、57分に荒掘が頭で、87分には本間が鮮やかなロングシュートを沈めて同点。土壇場で勝ち点1を拾い上げた。
栃木はギリギリで3連敗を回避。数試合前にあった組織的堅守がいまは見る影もないが、一方でこの日2点差を追い付いたのは事実。「われわれにまだ流れがあると受け止めたい」(倉田監督)。逆境の中で生まれたわずかな勢いを生かすも殺すも次節次第だ。(鈴木 康浩)