チャンスを決めた大宮。決め切れなかった東京V
言い古された陳腐な表現ではあるが、結局はそれに尽きるのだろう。決めるか決めないか。試合後、東京Vの南は言った。「(試合展開は)五分五分だったと思うし、チャンスもあった」。さらに、こう続けた。「あそこで最後に一発があるのが大宮だと思う」。
この日の大宮は、家長とカルリ―ニョスが出場停止だったこともあるだろうが、前回のリーグ戦対戦時(第20節・2○0)のように丁寧なビルドアップから攻撃を組み立てるというより、カウンターを軸にゴールを狙った。PKを獲得した場面も、CKからのカウンターがきっかけとなっている。ただ、やや東京Vがボールを保持する時間が長い形で試合は進んだものの、結局、互いに流れの中でのシュートシーンは少ないまま前半は終了。
展開に変化が出てきたのは、連戦の疲労が影響し始める後半途中からだ。中盤のスペースが徐々に広くなり、ボールは両チームのゴール前にある状態が長く続く。決定機はどちらにも生まれ、あとはどちらが決めるか。決めたほうのチームが割り切って守備を固め、逃げ切りを図ろうとするのは、明らかだった。
そして、東京Vがビッグチャンスを逃した直後に決勝点は生まれた。84分にアラン・ピニェイロの突破からブルーノ・コウチーニョがゴール前でフリーになったがシュートを決められず、逆に86分に片岡へのルーズな対応をきっかけに、最後は富山が鋭い切り返しでDFをかわし左足でゴール。順位や勝ち点の差ほどに両チームの実力差は感じさせなかった試合だが、大宮はチャンスを決めて勝ち点3を獲得し、東京Vは何も手にすることができなかった。(石原 遼一)