先制、逆転、土壇場の同点弾。水戸が得た勇気と自信
前半から水戸のプランどおりに試合は進んだ。序盤はボール奪取能力に長けるC大阪のボランチを避けるようにシンプルに前線にロングボールを送って攻め込み、試合が落ち着いてからは馬場を前線に移し、ボランチの背後で起点を作った。前半を予定どおり無失点で終えると、53分に船谷を左MFとして投入。今度はサイドで起点を作って、横幅を生かした攻撃をしかけた。そして59分、鈴木雄からのパスを受けた船谷が強烈なミドルシュートを叩き込み先制。まさに思い描いていたとおりの展開。試合は水戸の掌の上で転がっていた。
だが、それを覆す力をC大阪は見せ付けた。2トップの力強さと2列目の選手のテクニックを融合させ、タイトな水戸の守備を揺さぶる。65分にゴール前の混戦から田代が蹴り込み、同点に追い付くと、その後、水戸はシステムを[4-1-4-1]にして中央の守備を強化したものの、C大阪の力強い攻撃はそれをもこじ開けた。88分、ゴール前でパブロがつぶれ、こぼれたボールをエジミウソンが流し込んでC大阪がついに逆転に成功。勝負は決したかと思われた。
これがセレッソの力なのか。水戸は4連勝中のC大阪の勢いに呑まれかけた。しかし、「前節痛い引き分けを経験していたから、絶対に負けたくなかった」(田中雄大)という強い気持ちが選手たちの胸に宿っていた。失点直後から果敢にC大阪ゴールへ向かい、迎えた後半ロスタイム。本間が蹴ったゴールキックを頭で4回つなぎ、ボールは中央の鈴木雄へ。迷わず振り抜いた右足から放たれたボールは鋭くゴールネットに突き刺さった。アウェイの地で、土壇場で引き分けに持ち込んだ水戸。J2残留に向け、勝ち点1という数字よりも大きな勇気と自信を手に入れた。(佐藤 拓也)