誰もが長崎の勝利は間違いないと思っていた後半ロスタイム。勝ち点3を手中に収めかけていた長崎にまさかの悲劇が訪れた。あまりに劇的な金沢のゴールが決まったのは95分。途中出場した茂木がクロスを入れるとジャーン・モーゼルが体を投げ出して飛び込む。頭で合わせたボールはふわりとした軌道で長崎ゴール右スミに吸い込まれた。直後にタイムアップの笛が鳴る。まさにラストプレーでのゴールだった。ホームスタジアムは静まり返り、喜びの輪を作る金沢の選手の横で長崎の選手はピッチに倒れ込んだ。高木監督も「ドーハと並ぶような衝撃。どう試合を振り返っていいか…」と言葉を失った。一方、金沢の森下監督は「われわれは(ここまで)13試合勝っていないが、結果から言えば大きな勝ち点1だった」と最後まであきらめなかった選手の奮闘に感謝した。
この試合、立ち上がりは5バック気味で臨んだアウェイの金沢がペースをつかんだ。狙いは「長崎の縦に速い攻撃に対応するため」(森下監督)。すると長崎は24分、左と右のウイングバックのポジションをチェンジ。これによって対面の選手との相性や、味方との連係が向上し攻撃の活性化に成功した。主導権を奪い返すとセットプレーでゴールを脅かし続け、前節・東京V戦(1○0)に続いて前田のキックから先制点を挙げた。ただ、高木監督が「ほぼ100%に近い内容ながらも勝ち点3が取れなかった」と話した言葉がすべてだった。長崎はこの教訓を残り試合で生かすしかない。(植木 修平)