■アルビレックス新潟
小細工は不要。新潟は矛を矛で迎え撃つ
攻撃は最大の防御なり。
目下リーグ最強の攻撃力を誇る川崎Fに対して、守り勝つつもりは毛頭ない。攻撃勝負。新潟は、真っ向勝負で川崎Fを仕留める。
中盤より後ろに負傷者が続出している新潟だが、前線の攻撃陣はかつてないほどに充実している。攻撃の軸は、2ndステージで5ゴールを挙げる長身FW指宿だ。前線のターゲット役を果たしたあとにゴール前へ果敢に飛び出すプレースタイルは、Jリーグ2年目の今季、さらに輝きを増している。柳下監督は「指宿はパートナーの良い部分を引き出す」と話すように、指宿をベースに攻撃を組み立てている。前々節・横浜FM戦(1△1)までは指宿と山崎のペアだったが、前節・神戸戦(2○1)では2ndステージ初先発のラファエル・シルバと指宿の2トップ。キレが増したラファエル・シルバが先発争いに食い込んできたことで前線の競争は激化。今節もラファエル・シルバの先発、山崎のベンチスタートが濃厚だが、試合状況によっては山崎を2列目に配置するオプションも考えられる。
2列目に潜むのは、最近3試合で2度の決勝ゴールを決めた山本だ。90分間を通じて走り抜けるスプリント力を武器に、2トップの背後からゴールを狙っていく。山本がシュートチャンスを迎えているときは、攻撃が機能しているバロメーター。逆に山本が消えているときは新潟の時間ではない。
シーズンが進むごとに変化してきた攻撃陣だが、最終形は見えた。「自分のゴールよりもチームの勝利が最優先」(ラファエル・シルバ)。チーム最多得点はラファエル・シルバの7得点と得点ランキング上位に顔を出す際立ったプレーヤーはいないが、トータルの攻撃力では川崎Fに引けを取らない。小細工は不要。川崎Fの矛を、新潟は矛で迎え撃つ。(藺藤 心)
■川崎フロンターレ
狙うは年間3位。一つの負けが命取りに
チームは2連勝と軌道に乗り始めているが、本当に重要で難しい戦いはこの新潟戦から始まる。新潟戦のあとにはG大阪、広島、浦和という上位陣との対戦を控えており、この勢いを保った状態で彼らとの戦いに臨みたいところである。「可能性がある限り狙っていかないといけない」と谷口が語るとおり、チームが目指すのは年間順位の3位。そして、残り6試合で3位のFC東京との勝ち点差は『6』。可能性はあるものの一つの黒星がその希望を絶つと言っても過言ではない。川崎Fにとってこの先は1試合1試合が背水の陣だ。
「いつも新潟とやるときはほぼマンツーマン」と中村は以前に語っていたが、個人個人がプレーをする際に普段と異なる窮屈さが生まれるのが新潟戦。しかし、小林や大島のように“食い付いてくる相手をはがす”ことを得意とする選手にとっては相性が良いとも言える。特に好調を維持する中村と大島のダブルボランチの位置で相手のプレスをいなして数的優位の状況を作れば、その直後に好機が生まれる可能性は高い。奪いに来る相手の“逆を取る”プレーを彼ら二人に求めたいところ。
そして前節・名古屋戦(6○1)の6得点すべてに絡んだ田坂、大久保、小林の3トップの攻撃力にも期待が懸かる。ここ最近の2試合で奪った9得点にはすべてこの3人の誰かが絡んでいる。それだけに新潟戦もゴールネットが揺れるのは、間違いなく彼らがボールを持ったときだろう。小林、田坂は負傷から復帰してリーグ戦を2試合以上こなしており、コンディションも連係も上向いてきている。この試合でも得点に絡むプレーが期待される。アウェイの新潟戦はチームとしても苦手意識が強く、いわゆる鬼門の一つではある。ただ、そこを突破しなければわずかに残る可能性を生かすこともできない。(竹中 玲央奈)