■ガンバ大阪
5連戦の開始。王者だからこその難しい悩み
2年連続の三冠とアジア戴冠に可能性を残すG大阪は、今節・柏戦からの5連戦で3つの異なる大会を戦う(左表参照)。その中で最も厳しい立場に追い込まれているのがリーグ戦だ。前節は松本に痛恨のドロー(1△1)を喫し、連勝は『3』でストップ。松本戦にパトリックや岩下らを温存したのは、残留争いの渦中にある下位チームを軽んじたためではない。むしろ「試合に飢えている選手たち」(長谷川監督)で勝ち切るのが目的だったが、やはりACL準々決勝第2戦・全北現代戦(3○2)の激闘を終えたチームに若干の“燃え尽き感”があったのは否めない。
2nd首位・広島との勝ち点差は『6』。2nd第16節で広島との直接対決を残すだけに、「まだ間に合う位置にいる」(遠藤)。可能性を残すチームの“鬼門”となるのが今節・柏戦だ。指揮官も選手たちも「相性の悪さは感じない」と言い張るものの、数字は雄弁。12年以降に限れば、公式戦での対戦結果は1分7敗。長谷川体制下に限ってもリーグ戦3連敗中で、三冠王者が昨季唯一2敗を喫したのが柏だった。
ACLで全北現代に勝ったがゆえの難しさがあった松本戦とは対照的に、ACL制覇に向けて最大の難敵となる準決勝第1戦・広州恒大戦を控えるがゆえに、チームは再び“戦闘モード”に入った。「広州恒大戦にはずみを付けるためにも柏戦が大事」(宇佐美)。まずは今節に全力をつぎ込むが、「無理して使って壊れたら元も子もない」(長谷川監督)と、左足首を痛めた藤春は温存が濃厚。松本戦で股を打撲した遠藤もギリギリまで状況を見極めることになる。
リーグ戦での逆転Vに望みをつなぐためにも、ホームで柏の“呪縛”を解いておきたい。(下薗 昌記)
■柏レイソル
アグレッシブな攻撃で相手の強みを封じる
リーグ戦3戦勝ちなしはネガティブな現実だが、2ndステージ首位の広島から勝ち点5差の3位に踏みとどまっていることは救いだ。柏にはステージ制覇、ACL出場権獲得の可能性がまだ残されている。
20日の前節・山形戦(0△0)を累積警告で出場停止となった茨田は、15日のACL準々決勝第2戦・広州恒大戦(1△1)をこう反省する。「相手の枚数を考えれば自分が(ディフェンスラインに)入らなくてもいい状況もあった。やられる位置の低さが問題だった」(茨田)。そして、「(それを避けるためには)厚みある攻撃、押し切ることが大事」と続ける。
ポゼッションは柏の強みだが、ゴール方向への動き出しに呼応して縦にテンポアップし、より圧力の掛かった状態で攻撃を終えることも必要だ。“アグレッシブな攻撃が良い守備を呼ぶ”という発想は、G大阪の強みを封じるカギとなるだろう。
ただし、いまの柏が欲しているのは過程ではなく結果だ。大谷に攻撃の課題を問うと「決めるだけ」といういつになくシンプルな答えが返ってきた。昨季と今季のリーグ戦で柏はG大阪に全勝している。しかし、ACLの勝ち上がりを見れば分かるように、G大阪は大量の決定機を期待できる相手ではない。「勝負強さを残りの試合に向けてつかみたい。それがこのあとタイトルを獲っていくために一番欠けている部分。シュート1本でも、相手のオウンゴールでも1-0で勝てばいい」。大谷はこう割り切る。
厳しい戦いになるだろうが、勝負強さの獲得と、この一戦の勝利がなければ、チームの欲する今季の“結末”もないだろう。柏にとって2ndステージの正念場となる一戦だ。(大島 和人)