狙いどおりのウノゼロで、クラブ歴代最多勝ち点記録を達成
勝ったことがすべてである。これでFC東京は年間順位3位にとどまった。試合前から選手たちも「結果を出すだけ。勝つしかない試合」(森重)と、いつも以上に勝利への執着心を露わにしていた。「しっかり守るときは守る。それがFC東京。(監督は)イタリア人だから、ウノゼロ(イタリア語で1-0)だよ」。松本の反町監督はFC東京の狙いどおりの展開と試合結果に終わったことを独特の表現で語った。90分を振り返れば、まさにそのフレーズがハマる。比較的早い時間帯で先制し、その後は要所を締めて試合をクローズさせていく。「2点目、3点目を取るチャンスはあった」(マッシモ・フィッカデンティ監督)ことは確かだが、森重、丸山の両CBや、今節でJ1・300試合出場を達成した徳永らDF陣が堅い守備を披露し、1点のリードを守ってみせた。
ゴールを生んだのは、太田の左足クロスと前田遼一のヘディング。これで12アシスト目を記録しJ1アシストランキング1位を走る太田は、「角度のないところから決める(前田)遼一さんの能力は心強い」と決め手を称えれば、前田遼一も「最高のクロスだった。ゴールは(太田)宏介のおかげ」と出し手を褒める。さらに太田は「遼一さんが磐田時代は駒野さんとホットラインを形成していた。もっと自分もアシストを増やして前田・太田のホットラインとも呼ばれたい」と語る。あらためて、彼の左足がチーム最大の得点源であることが強調された結果でもあった。
役者が相応の仕事ぶりを果たした試合。忘れてはならないのが、脇役の存在だ。前述の丸山が守備だけでなく得意の縦パス、フィードでも好プレーを連発し、この試合で初めてアンカーに入った米本も低い位置から前に出る動きも交えながらボールを奪取。また彼を左右から支えた橋本と羽生の献身ぶりも特筆すべき働きだった。相手は中2日での連戦が続いていたという条件はあったにせよ、能力のある選手たちが全員で汗をかいたFC東京が快勝。これで年間勝ち点56となり、クラブ歴代最多勝ち点記録も達成した。(西川 結城)