大宮にとって、千葉が前回対戦(第7節・0○2)のようにハイプレッシャーを掛けてくるかどうかは読めないところがあった。準備段階ではハイプレッシャーを想定したビルドアップの確認もしていたが、実戦は別モノ。千葉が勢いを持って試合に入ってきたことで、チームの対応力が試されることになった。
結論から言えば、大宮は相手の出方を見た上でのプレー選択をすることができた。それは時間帯ごとに空いているスペースを見極めながら、的確に相手の急所を突くということだ。 まず、序盤はチームとして意図的に長いボールを使い、千葉の狙いを外すことに重点を置いた。「最初は相手の背後に(ボールを)落とすようなイメージを持ってやっていた」(渋谷監督)。相手のパワーを真正面から受けて立つのではなく、セーフティーなプレーで空転させる。結果として相手は徐々に間延びし、ボランチがフリーで展開できる形も増えていった。
その中で、前線のタレントたちは生まれ始めたスペースを敏感に感じ取っていた。先制点の起点となった泉澤は「(千葉は)カウンターのときに穴埋めがあまりできていなかった」と振り返る。背後を意識させたことで千葉の最終ラインが下がり、大宮はビルドアップ時に一つ外せば十分なスペースが広がる状態を作り出していた。中盤からバイタルエリアにかけてのスペースを泉澤、家長、横谷らが抜け目なく使い、ロジカルに流れを引き寄せている。2得点ともにバイタルエリアでのプレッシャーの緩さを利用した、必然の崩しだった。
状況を見て判断し、ときにはリスクを抑えたプレーを駆使しながら1試合トータルで優位性を確保する。足元のつなぎに拘泥して本質を見失うのではなく、放り込み一辺倒でもない。大宮はシーズンを通じて身に付けてきた臨機応変さを発揮し、試合をコントロールしながら千葉を退けることに成功した。(片村 光博)