[ACL 準決勝 第1戦 広州恒大 2‐1 G大阪]
致命的な3失点目を与えず、アウェイゴールも獲得
翌日から国慶節(中国の建国記念日に当たる)による7連休を控えることもあり、平日とはいえ48,946人の大観衆を呑み込んだスタジアムは、広州恒大のチームカラーで真っ赤に染め上げられていた。
しかし、今大会最強の相手に先手を取ったのはG大阪だった。13分に阿部が右から上げたクロスが、相手DFに当たってオウンゴール。幸運な形だったが、貴重なアウェイゴールを奪い取る。ホームサポーターが一斉に苛立ちと戸惑いを見せる中、大阪の雄がその後も再三、相手ゴールに襲いかかった。先制直後の16分にパトリックがポストをわずかに逸れる際どいシュートを放つと、24分にも今野のラストパスを受けた倉田が決定的なシュートを放つ。広州恒大が宇佐美の守備が甘い左サイドに付け込むのと同様に、G大阪も相手の左サイドで自慢のパスワークを披露。百戦錬磨のルイス・フェリペ・スコラーリ監督も、35分に左SBゾー・チェンの交代を強いられるほど(負傷もしていた)、前半主導権を握っていたのはG大阪だった。
しかし、中国の金満集団が36分に牙をむく。ブラジル人アタッカーには粘り強く対応していた守備陣だったが、最終ラインの背後に飛び出したファン・ボウェンに同点弾を許す。あくまでも勝ち越しを目指したG大阪だが、後半は完全に守勢に回る展開。足かせとなったのはTV画面では伝わらない広州の蒸し暑さだった。「結構暑かったし、後半は足が止まった」と遠藤も振り返る。57分には広州恒大が逆転に成功。CKからのヘディングシュートをGK東口が防ぐも、こぼれ球をサイドに展開されると、チェン・チーがキム・ジョンヤに完璧に競り勝ち、ヘディングを叩き込んだ。ブラジル人トリオに得点こそ許さなかったものの、2点をお膳立てしたエウケソンのパスに合わせたのは、ともに中国の選手。外国籍選手任せでないのが今季の広州恒大の強みだ。
しかし、劣勢で致命的な3点目を与えなかったG大阪の耐久力は、チームの売りである堅守そのもの。また、「1点取れたのはデカい」と倉田も語るように、万博決戦に向けて確かな手ごたえを見いだした敗戦だった。(下薗 昌記)