■松本山雅FC
出場停止から復帰のオビナ、いまこそ結果を
中2日の3連戦を2分1敗で終了。厳しい状況は何一つ変わっていないが、チームの雰囲気は悪くなく、良い意味での“開き直り”も感じられる。あとはこの雰囲気をピッチ上で表現できるかだ。
今節もまた松本にとってはビッグマッチとなる。対戦相手の清水は、ここ2試合で大量失点を喫しており、ついに年間順位18位に転落。もう絶対に負けられない。Jリーグ設立から名を連ねる名門の誇りに懸けて、アルウィンへと乗り込んで来るはずだ。
この試合での注目は、まず持ち味の攻撃力でチームに貢献してきた安藤の出場停止により、左ウイングバックに誰が起用されるかだ。飯尾や鐡戸、負傷の癒えた那須川など候補者は多いが、最有力は岩沼か。清水もミッチェル・デュークが出場停止となり中盤の構成は流動的。右サイドで起点を作らせないためにも、マッチアップで競り勝つことが求められる。岩沼本人も「試合に出られたら」と前置きした上で、「あまり受け身になると押し込まれてしまうので、守備に気を配りつつ攻撃も意識していきたい」と今節に懸ける思いは強い。
また、前回対戦時(1st第3節・1○0)ではPK失敗やオフサイドによる幻のゴールなど、真価を発揮し切れなかったオビナへの期待も大きい。夏場を過ぎてからはフィジカルコンディションも良好で、動きもキレを増している。前節・FC東京戦(0●1)は累積警告で出場停止となったが、ある意味休養は十分。前線で存在感を見せてもらわねば困る存在だ。お互いに新たな選手も加わり、前回対戦の結果は参考にはなるまい。試合展開はまったく読めないが、熱戦となることだけは確実のカードだ。(多岐 太宿)
■清水エスパルス
悪循環に陥らないために、まずは先制点を奪う
まずは、“勝てそうだ”という空気を作り出すこと。選手自身にとっても、応援するサポーターにとってもそれが大事になる。8月に田坂監督が就任して以降の成績は3分4敗。敗れた4試合では、すべて前半のうちに先制点を許した。失点すると、はね返すだけの力を発揮できていない。また、前節・広島戦(1●5)、前々節・浦和戦(1●4)の2試合で9失点。この大量失点は、「崩されてというより、自分たちが招いた失点」(田坂監督)で、取り返そうとリスクを負って前掛かりになったところを逆にカウンターで突かれ、さらなる失点を招くという悪循環に陥った結果。いわばこの形が“パターン化”している。
このような事態に陥らないためには、失点を許さず、先制点を奪うことが重要になる。攻撃面ではチョン・テセがここ2試合連続得点中。大前のプレースキックをチョン・テセに合わせる形が武器になっており、今節も得点につなげたい。だが、より勝利に近付くためには、大前自身の得点も欲しい。今季ここまで清水が挙げた4勝のうち3勝で、大前の得点が勝利に結び付いている。「自分が得点を決めれば、チームも良い方向に向かうと思ってやっている」(大前)と、エースの自覚を持って試合に臨む。
アルウィンという、清水のほとんどの選手が経験をしたことがないスタジアムの雰囲気は、かなりの脅威だ。ここで相手の勢いに呑まれるようなことがあれば、勝利は遠のく。先制し、さらには追加点と、相手サポーターをも黙らせ、勝てるムードを作り上げること。残留を争うライバル・松本との対戦という難しい試合になるが、残り5試合の最初の試合を取ることが、まずは残留への大きな一歩になる。(田中 芳樹)