千葉の勝因は、攻守に効いたダブルボランチ
先に試合を終えていた6位・長崎が敗れた中で迎えた、J1昇格を争う千葉と愛媛の一戦。結果次第ではJ1昇格プレーオフ圏に浮上可能となる戦いを制したのは、今季苦しんできた千葉だった。「勝つことが何よりも大事なゲームだった」というパウリーニョの言葉どおり、この日の千葉はいつにも増して、戦う気持ちが入っていた。高い位置から2トップの松田とネイツ・ペチュニクが勇猛果敢にプレスを掛け、中盤と最終ラインも連動してタイトな守備を継続。攻守の切り替えも速く、ボールを奪ってからのキレ味鋭いカウンターは迫力満点だった。16分に水野が右サイドから挙げたクロスに井出がうまく合わせて奪った先制点も、自陣深くでマイボールにしてから手数をかけずに攻め切ったことで生まれたゴールだった。
そして、何より良かったのが相手のカウンターに対するリスク管理だ。「攻守にわたって、二人の距離感が非常に良かった。守備でも攻撃でもバランスを取ってやってくれた」と関塚監督が賞賛したように、ダブルボランチのパウリーニョと佐藤健がきっちりと対応。下がり過ぎることなく、適度な距離感で幾度となく相手の速攻を止めてみせた。また、SBの攻撃参加で生まれたスペースも完璧にカバー。最後まで二人の集中力と運動量が落ちなかったことが、この日の勝因と言っても過言ではない。 1-0で入った終盤は、相手に押し込まれる時間帯が続いた。今季、先制しても勝ち切れない試合が多い千葉は、追加点を取りたい前線と1点を守り切りたい守備陣で、意思疎通が図れないことも少なくはなかった。しかし、「選手たちが何をしないといけないのかを、はっきりと表現してくれた試合だった」(関塚監督)という何が何でも勝つという強い覚悟を全員が顕示。虎の子の1点を守り切ることで、価値ある勝ち点3を手に入れた。もちろん、追加点が取れなかったことは悔やまれる。それでも、次節の福岡戦に向けて、はずみが付く勝利だったのは間違いない。(松尾 祐希)