■アルビレックス新潟
クラブ初タイトルに向けて先手必勝
新潟は、非常に難しい心理状況でナビスコカップ準決勝を迎えることになった。リーグ前節・甲府戦でスコアレスドローに終わった年間15位の新潟だが、16位・松本が勝利したため勝ち点差が『3』へと縮まった。リーグ次節は松本との直接対決が控えるため、残留ラインを巡る攻防は一気に緊迫してきた。松本がナビスコカップでの新潟の戦い方を徹底分析するのは確実。もちろん新潟は、準決勝・G大阪戦へ全力を注ぐが、リーグの順位を考えると複雑な心境でゲームへ臨むことになる。
この試合は先手必勝だ。新潟は浦和との準決勝第1戦を5-0で勝利。2戦目は0-3で敗れたものの貯金を生かして準決勝進出を決めた。G大阪戦も初戦で勝利を奪い、優位性を保った上で敵地へ向かいたい。
リーグ戦と同じメンバーで戦う新潟に対して、G大阪は4選手を代表招集で欠く。G大阪の選手層は厚いが、新潟にとって相手の主力不在は大きなアドバンテージ。初戦で一つでも多くのゴールを狙うのと同時に、アウェイゴールを与えないしたたかさが要求される。リーグでの前回対戦(2nd第5節)は結果こそ2-2のドローだったが、内容は互角以上。今回はG大阪撃破によって、チームの進化を証明する。
今季、新潟は“クラブ初のタイトル”を目標に掲げてスタートを切った。リーグでは歯車がかみ合わずに低迷しているが、ナビスコカップでは頂点が狙える場所まで辿り着いた。この結果は評価に値する。新潟スタイルを確立しつつある指揮官は常々「目の前の試合に勝つだけ」と話すが、頂が見えてもスタンスは変わらない。タイトルへ向けた新たな一歩は、ビッグスワンから踏み出される。(藺藤 心)
■ガンバ大阪
アウェイで引き分けも十分な選択肢
いま、日本で最も過酷な日程を強いられているのがG大阪である。高温多湿の広州でACL(準決勝第1戦・1●2)の消耗戦に続いて、中3日で14時キックオフのリーグ・川崎F戦。そして中2日でアウェイ3連戦目となるナビスコカップ準決勝の第1戦に挑む。
「ひさびさにフレッシュだなという感じだった」。連戦のマネジメントに長けた指揮官もやや自虐気味に6日の非公開練習を振り返ったが、そこには遠藤、パトリック、今野、そして阿部の姿はなかった。連戦による疲労を考慮し、前出の4人にはオフが与えられたが、日本代表の4人と遠藤ら一部主力をのぞいた顔ぶれから、最善の11人をアウェイのピッチに送りだす。
「(準々決勝の)名古屋戦も第1戦でああいう面子で戦って、アウェイゴールを取られたけど、良い試合をして1-1で引き分けたことが2戦目のPK戦につながった」(長谷川監督)。大胆なメンバー構成は決して手抜きではない。準々決勝の名古屋戦ではルーキーの平尾を抜擢し第1戦で引き分けたが、長谷川監督の戦略は2戦目に勝負を懸ける、である。
特に準決勝は第2戦をホームで戦えることもあり、敵地では引き分けも十分な選択肢だ。ただ、遠藤に代わってキャプテンマークを巻く倉田は「引き分け狙いでは戦わないし、あくまでも勝ちに行く」と強気な姿勢。実際、名古屋との第1戦では「レギュラー組より良い攻撃だった」と指揮官が振り返ったほど二川をトップ下に配置する[4-4-2]は機能性を見せていた。
ベンチメンバーにはルーキーがズラリと顔を並べ、先手を取られた際のカード不足は否めないところ。だからこそ、不用意に失点せず、ロースコアでの接戦に持ち込めば勝機はある。(下薗 昌記)