Match 試合速報

ワールドカップ予選
10/8(木) 22:00 @ シーブ

シリア
0
0 前半 0
0 後半 3
試合終了
3
日本

Report マッチレポート

本田、岡崎、そして宇佐美。日本が宿敵シリアを3-0で一蹴、E組1位に浮上。

2015/10/9 0:11

 2012年ロシアワールドカップ2次予選を1位通過するために、3試合終了時点で勝ち点9でE組首位に立つシリアを叩くことは、日本代表にとって必要不可欠なテーマ。中立地・オマーン・マスカットでの8日の一戦に敗れるようなことがあれば、自力突破の可能性がなくなり、2次予選敗退の危機に瀕することになる。98年フランス以降、6大会連続でワールドカップ出場を続けてきた日本にとって、その屈辱だけは絶対に許されない。何としても勝ち点3をもぎ取り、首位に浮上しなければならなかった。

 勝負のかかる一戦に向け、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が抜擢したのは、GK西川周作(浦和)、DF(右から)酒井高徳(HSV)、吉田麻也(サウサンプトン)、槙野智章(浦和)、長友佑都(インテル)、ボランチ・長谷部誠(フランクフルト)、山口蛍(C大阪)、右FW本田圭佑(ミラン)、左FW原口元気(ヘルタ)、トップ下・香川真司(ドルトムント)、FW岡崎慎司(レスター)の4−2−3−1。9月のアフガニスタン戦(テヘラン)からは森重真人(FC東京)と槙野、酒井宏樹(ハノーファー)と酒井高徳が入れ替わっただけ。石橋を叩いて渡る指揮官らしい陣容となった。対するシリアは4−1−3−2に近いシステム。守備時は香川や本田らキーマンをマンマークする形だ。長友らが「非常にいい選手」と語っていた8番のハルビンはセカンドトップに入った。彼ら前線のスピードとパワーには細心の警戒を払わなければならなかった。

 中立地の一戦ということで、試合会場のシーブ・スタジアムのスタンドは閑散とした状況。逆にこの異様な雰囲気が選手たちのメンタル面に影響しないか懸念された。さらに気温34度・57%の猛暑も大きなハンディキャップ。こうした逆境を制することも、中東での勝ち点3を左右すると見られた。

 試合は立ち上がりから日本がボールを支配し、シリアがカウンターを狙う定番の展開となった。相手のマンマークの影響で香川や岡崎には思ったようにボールが入らず、左サイドの原口のところはフリーになる機会があったが、思うように攻めの迫力を出せない。最初の好機は左サイドを長友が抜け出し、その折り返しを岡崎が頭で合わせた前半19分の場面だったが、シュートは枠を超えていく。本田からのパスを受けて岡崎がフリーで右足を振りぬいた25分のチャンスもモノにできず、じわじわ嫌な空気が流れ始める。球際の強さが武器の山口が中盤で競り負けて、ハリルホジッチ監督から「ホタル〜」という叫ぶシーンが繰り返し見られるなど、日本にとっては決して理想的な試合運びとは言えない状況が続いた。

 そして36分には原口がバックパスを奪われ、最終的にハルビンにゴール前に飛び出される決定機を作られてしまう。41分にも守備陣が浮き球の処理を誤って、同じハルビンをフリーにさせる絶体絶命のピンチが訪れたが、相手がシュートミス。何とか失点をせずに済んだが、やはり重苦しいムードは続く。前半は結局、0−0で終了したが、岡崎と香川にチャンスらしいチャンスがなく、日本は得点の匂いが感じられなかった。

 この停滞感を打破すべく、後半に向かったが、やはり序盤は鋭さを見せられない。このまま決めきれない状態が続くかと思われた後半9分、ハーフウェーライン手前でボールを持った長谷部が前線を走る岡崎にタテパスを送った。これに反応し、抜け出した背番号9はドリブルで持ち込んでペナルティエリア内で倒され、PKをゲット。これを本田が冷静に左隅に決めて、日本は喉から手が出るほどほしかった先制点をついに手に入れた。

 この1点で日本にスイッチが入り、これまでにはなかったほど前線の勢いが感じられるようになった。シリアも巻き返しを図るためハルビンを下げてラフェ(18番)を投入。フレッシュな人材の起用で流れを変えようと試みるが、日本も原口と宇佐美貴史(G大阪)交代し、攻めの活性化を図る。その宇佐美の投入が新たな流れをもたらし、待望の追加点を手に入れる。

 後半25分の本田の右サイドからのFK。これが宇佐美に渡り、左サイドに開いていた香川へ展開。香川はドリブルでグイグイと前へ出ていき、相手を引きつけて折り返した。その瞬間、ニアサイドに飛び込んだのが岡崎。彼の右足シュートがネットを激しく揺らし、日本はついにシリアを2−0と突き放した。

 これでほぼ勝利を確実にした日本。シリアも温存していたカード2枚を投入して追い上げるが、この日の守備陣は安定感を欠くことなく、しっかりと危ないところを切っていた。酒井高徳はやや運動量が落ちた印象だったが、吉田、槙野、長友は終盤に入っても落ち着いた動きを継続。前半は不安定だった山口蛍も普段通りのパフォーマンスを取り戻した様子だった。ハリルホジッチ監督も香川と清武弘嗣(ハノーファー)、岡崎と武藤嘉紀(マインツ)を交代し、最後まで相手にプレッシャーをかけ続けた。

 背水の陣のシリアは後半39分、交代出場したオマリ(11番)のFKが右ポストを直撃する決定機を作ったが、日本ゴールを割れない。ここまで2次予選3試合で13得点していた彼らも、この試合ばかりはゴールを割ることはできなかった。

 前がかりになる相手の裏をかくように、日本は3点目を手に入れる。左サイドを駆け上がった本田にタテパスが出て、彼はドリブルで前進。相手を引きつけたところで中央に走りこんだ宇佐美にラストパスを出した。背番号11はこれを楽々とゴール。3月のウズベキスタン戦(味スタ)以来の国際Aマッチ2点目を奪うことに成功する。この1点はシリアとの得失点差を考えても非常に大きかった。

 結局、試合は3−0でタイムアップの笛。日本は苦しみながらも、本田と岡崎、宇佐美という点を取るべき人のゴールで勝ち切ることができた。しかも本田はPK、岡崎はFKとこれまで指揮官が課題としてきた形のゴールで、宇佐美もカウンターからだった。そういう意味でもチームに弾みがつきそうだ。これで2次予選1位通過の可能性はかなり高まったと言っていいだろう。(元川 悦子)

関連カテゴリ

EG 番記者取材速報

League リーグ・大会