鹿島が狙いとする前からボールを奪いに行くサッカーは、体力的な負担が大きい。第1戦(2◯1)でも、前半で2点のリードを奪ったあと、守備の強度が減退し、後半は相手に主導権をわたす展開となった。前からの圧力が落ちれば後ろは怖がり、最終ラインが上がらなくなるのは当然のこと。チームの狙いを90分間遂行し続けるのが難しいことを踏まえ、悪い流れのときにどう戦うのかが、第1戦での課題だった。そして、第2戦は、そうした課題が前半から見られることとなる。
先制点を奪ったあと、ボールホルダーにプレッシャーが掛からなくなり、前を向いた神戸の選手に面白いように最終ラインの裏へパスを通されてしまう。それも、21分に失点した場面の一回だけならまだしも、それ以降もわずかな間に計4回のラインブレイクを許してしまった。
勝負の後半、どう修正するのかが注目される中、石井監督は迷うことなく、ゆるんだネジを巻き直すことを選択。ハーフタイムに「気を引き締めて最初からしっかり戦っていこう」と、もう一度、激しく前からボールを追うことを求めた。遅れていたセカンドボールの反応にもメスを入れた結果、53分の2点目はCKから素速い切り替えによって、74分の3点目は前から連続したプレッシャーを掛けたインターセプトから生まれた。
しかし、戦い方を修正できたのは、一度呼吸を落ち着けられるハーフタイムがあったからこそ。本来は、チームとして連動できなくとも、個人がもっと気を利かせて守るべきだった。試合後、選手たちは思い思いに輪を作り、「ポジティブな話し合いができていた」(大岩剛コーチ)という。決勝までには、この課題をクリアしなければならない。(田中 滋)