前半は予想外のシリアの姿勢に苦戦
終わってみれば、3点差の快勝劇。気温30℃、湿度70%を超える中東でも異例の蒸し暑さに、スポンジのように柔らかいピッチ。劣悪な条件がそろっていたが、日本は時間を追うごとにタフな戦いぶりを見せた。
これまで日本と同じ無失点でW杯2次予選を戦ってきたグループ首位のシリア相手に、難しい試合になることは選手たちも予想していた。とはいえ、序盤から攻撃でも守備でも積極的にどんどん前に来るプレーには、「あれだけ相手が前から来るとは思っていなかったというのが正直な感想」(本田圭佑)と、思った以上に加勢してきたシリアに日本は手を焼いた。
日本は攻撃のビルドアップの場面で、中央を堅く締めたシリアの守備を前に長谷部誠と山口蛍の両ボランチをうまく使えなかった。結局サイドから強引な縦パスや裏のスペースへのロングボールを入れては、ボールを失い逆にカウンターの脅威にさらされた。ここで崩れていれば、試合のすう勢はまた違ったモノになったはず。「まずは失点を避けて、後半もあるので焦らずに粘り強くやっていこうと話していた」(香川真司)と、選手たちは後手に回る場面でも何とか耐えていた。
エンジン全開で飛ばしてきたシリアのパワーは、後半になると途端に減退。そこを日本は逃さなかった。「前半よりも攻撃陣の距離間を近付けた」というヴァイッド・ハリルホジッチ監督の言葉どおり、選手たちはサポートとフォローの相互関係を深めた好連係を増やしていく。岡崎慎司が奪ったPKを本田が冷静に決めて先制点を奪うと、その後はさらにコンビネーションから相手を攻めていき、岡崎と途中出場の宇佐美貴史が追加点。一気に試合を決めた。
「課題もあるけど、難しい試合を勝てたこと自体は非常にポジティブに思う」(長谷部誠)。警戒して臨んだ重要な一戦、結果は申し分のないスコアに終わった。(西川 結城)