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代表国際親善試合
10/13(火) 22:30 @ アザディ

イラン
1
1 前半 0
0 後半 1
試合終了
1
日本

Report マッチレポート

吉田PK献上も、武藤の起死回生弾で敵地・テヘランで1−1のドローに持ち込んだ日本

2015/10/14 0:33

 8日のシリア戦(マスカット)3−0で下し、2018年ロシアワールドカップアジア最終予選進出に大きく前進した日本代表。13日の親善試合・イラン戦は来年の最終予選を視野に入れた重要な試金石の一戦。「メンバーの50%を変える」と明言したヴァイッド・ハリルホジッチ監督がどのような陣容で挑むのか。そして南野拓実(ザルツブルク)ら若手がどれだけ未来への可能性を見せてくれるのか…。そこが大いに注目された。

 8万人収容のイランサッカーの聖地・アザディスタジアムでのゲームだけに、大観衆が押し寄せると見られたが、試合開始前のスタンドは閑散としていた。イランのカルロス・ケイロス監督も「平日の17時キックオフの試合で集客が厳しい」と語っていたが、最初はサポーターの入りが心配された。が、時間が経つごとに人が増え、やはりアウェームードが強まってきた。ハリルホジッチ監督の「完全アウェーの中で選手を見極めたい」という思惑がどのように転ぶかが注目された。

 日本のスタメンは、GK西川周作(浦和)、DF(右から)酒井高徳(HSV)、吉田麻也(サウサンプトン)、森重真人(FC東京)、米倉恒貴(G大阪)、ボランチ・長谷部誠(フランクフルト)、柴崎岳(鹿島)、2列目右が本田圭佑(ミラン)、左が宇佐美貴史(G大阪)、トップ下・香川真司(ドルトムント)、1トップ・武藤嘉紀(マインツ)の4−2−3−1。予想通り、前回からは5人が入れ替わる格好となった。

 一方のイランは8日のオマーン戦(マスカット)の先発がベース。守備陣は変更なしで、キャプテン・ティムリアン(ウム・サラル)が控えに回って中盤はエブラヒミ(エステグラル)とエブラヒミ(エステグラル)のコンビ。95年生まれのFWアズムン、96年生まれのボランチ・エザトラヒ(ともにロストフ)の若手コンビも先発出場を果たした。ケイロス監督はホームでの勝利にこだわりつつも、若手テストの要素も盛り込んでメンバーを選んだ。

 気温26度、湿度30度と今回の遠征では最も暑い中でキックオフされたこの試合。日本は相手のパワーと球際の強さに押される展開を強いられる。相手は両サイドの攻め上がりからクロスを入れるスタイルを徹底。ロングスローやFKからもチャンスを作る。日本は最終ラインの森重を軸に何とか跳ね返し続けるが、徐々にイランに侵入される回数が増える。期待の柴崎、宇佐美、武藤は思うようにボールを持てず、違いを見せられない。日本としては非常に苦しい流れだった。

 前半の大きなターニングポイントとなったのが、イランの右サイドバック・ガフリ(セパパン)の負傷。ケイロス監督は23分にトラビを投入。彼を右MFに置き、レザイアン(ペルセポリス)を右サイドバックに下げる交代に打って出る。そのトラビが強力なタレントで嫌なタイミングで前線に上がってくる。さらに前半35分すぎには右のトラビと左のアミリ(ナフト・テヘラン)がポジションを交代。これでさらに流れを引き寄せる。

 そして前半ロスタイム。左サイドを駆け上がったトラビを吉田がペナルティエリア内で倒してしまい、PKを献上。これをデジャガーが蹴り、西川がいったん弾いたところに飛び込んだのがトラビ。切り札の一撃でイランが1点を先制したところで前半を折り返した。

 リズムを変えたい日本は後半頭から香川を下げて清武弘嗣(ハノーファー)を投入。中盤でタメを作れる時間を増やそうと試みる。そんな矢先の3分、日本はラッキーな形から1点を返す。右サイド・本田に対するGKハギギ(ルビン・カザン)のクロス処理が中途半端になり、こぼれたボールを武藤がヘッド。苦しい中で押し込んでいち早く同点に追いつく。この1点は苦境に追い込まれていた日本にとって希望のゴールになりそうだった。

 イランはトラビとアミリのポジションを元に戻し、左に入ったアミリが非常に持ち前のスピードで次々と相手陣内に攻め込む。サイドからのクロスにアズムンやデジャガーが飛び込んだ際、日本の最終ラインが対応しきれず、ゴール前をがら空きにしてしまう場面が続いたが、幸いにして相手がシュートをミス。助けられる格好となった。クロスやCKからのマークの徹底は今後の日本の大きな課題になるだろう。

 前半より押し込む時間が増えた日本は後半14分、清武→宇佐美→武藤とつながり、彼がゴール前まで独走する決定機が生まれた。が、これはGKに防がれ、こぼれ球を拾った本田も停められシュートを打ち切れない。日本は千載一遇の追加点のチャンスを逃してしまった。

 ハリルホジッチ監督はこの後、宇佐美、本田、柴崎を下げ、原口元気(ヘルタ)、岡崎慎司(レスター)、柏木陽介(浦和)という駒を次々と送り出し、貪欲にゴールを狙いに行く。が、イラン依然としてタフさを前面に押し出し、一進一退の攻防が続く。イランの左からの攻めに脅威を感じたボスニア人指揮官は酒井高徳と丹羽大輝(G大阪)を交代。サイドの守りを固める。日本はそのまま耐える時間が続いたが、何とか相手をしのぎ続け、終盤を迎えた。

 そしてハリルホジッチ監督は残り5分を切ったところで期待の新星・南野拓実(ザルツブルク)をついに起用。彼にゴールへの期待が高まった。が、ロスタイム3分間を含めて南野のところにボールが入らず、残念ながら1−1のまま終了。日本は最低限の結果で10月2連戦を終えることなった。

 若手のテストという重要なテーマにトライした指揮官だったが、武藤が時間を追うごとに力強さを発揮し得点という形でアピールしたのに対し、柴崎と宇佐美は不完全燃焼のままピッチを去ることになった。若手の底上げにはまだまだ時間がかかりそうな印象を残した10年ぶりのテヘランでの一戦だった。

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