■アルビレックス新潟
日程的なハンディをはねのけて勝利をつかみ、松本に引導を渡す
「松本のイメージ? 見ていれば分かるから特別に言う必要はない」。柳下監督は14日の天皇杯3回戦後の会見で、松本について問われると苦笑いを浮かべてこう答えた。このゲームの重要度は、指揮官が一番理解している。年間15位・新潟と16位・松本。勝ち点3差の直接対決は、残留争いの行方を大きく左右する決戦。勝てば残留に大きく近付き、負ければ残留争いに引きずり込まれる。否が応でもナーバスになる。新潟に課されたタスクは、松本に引導を渡すことだ。
新潟は、気持ちを切り替える必要がある。ナビスコカップ準決勝では第1戦(2○1)で先勝しながら第2戦(0●2)で敗れて決勝進出を逃した。天皇杯3回戦ではJ2徳島相手に1-2で敗れて4回戦進出を阻まれた。カップ戦は終わった。いま目の前にあるのは残留争い。その現実を直視しなければいけない。
好材料は、コルテース、松原が戦列に復帰したこと。やりくりを続けてきた両サイドの駒が増えることは、チームにとって追い風。攻撃のアクセントになり得るこの二人をいかに使うかがポイントの一つとなる。逆に不安材料は、コンデションの差だ。2週間で4試合目となる新潟と比べて、松本は天皇杯はあったものの、この試合へ向けて2週間の準備期間があった。新潟の試合会場には松本の“影”も見えていたため、情報量でも松本優位と言える。新潟はそのハンディをはね退けて勝ち点3をむしり取る技が求められる。
当日は、松本から多くのサポーターが押し掛けることが予想されるが、ビッグスワンの主導権は渡さない。「精神的、フィジカル的なコンデションを整えて、やるべきことをやるだけ」(柳下監督)。うずまく因縁とシチュエーション。残留争いの天王山とも言えるバトルは、クラブの運命と歴史を懸けた一戦となる。(藺藤 心)
■松本山雅FC
有利な条件はそろっている。アウェイの雰囲気で平常心を保てるか
年間順位15位の新潟と、16位の松本。その勝ち点差はわずかに『3』?。リーグ戦も残り4試合となったいま、J1残留のためには勝たなければいけない。松本にとってまさしく大一番となる。
新潟には今季リーグ戦とナビスコカップで2試合対戦し2敗と、良い対戦成績は残っていない。ナビスコカップはともかく、1st第9節(1●2)では試合開始直後の早い時間帯に先制を許し、一度は追い付いたものの試合終了間際に勝ち越し点を喫してしまう苦い一戦。「やはり先に失点してしまうと難しい展開になるし、早い時間帯に失点しないことが一番」とディフェンスリーダーの飯田も述べる。幸いにも日程面では松本に風が吹いている。1週間の準備期間を持つ松本に対し、新潟は7、11日にナビスコカップ準決勝、メンバーを大幅に入れ替えたとはいえ14日は天皇杯3回戦を戦う過密日程。涼しいナイトゲームという点も、走り勝つという意味では優位に働くはず。ハードワークで無失点の時間を長く保ち、勝機を見いだしたい。
もう一つ勝敗のカギを握るのは、メンタルコントロールか。会場のデンカビッグスワンスタジアムは恐らく橙色で埋まり、異質な空気を漂わせるはずだ。多くの新潟サポーターが掛けてくるだろう重圧をはね返す必要もある。極論を言えば新潟は状況によっては勝ち点1でも良い試合運びをするはずだが、松本は焦ることなく平常心で挑まなければならない。「いつもの力を出すためにも過緊張になってはいけないが、ウチにはベテランも多く、普段どおりのサッカーをやるという意味では心配していない」と指揮官は秘かに手ごたえもつかんでいる様子で、まさにチーム一丸が試されるゲームだ。(多岐 太宿)