柏は3試合を残して首位の広島、鹿島との勝ち点差が『8』に開いた。2ndステージ制覇は実質、絶望的。アジア、世界へ続く道はもう天皇杯しか残っていない。
コンパクトに戦えば柏のペース。オープンに戦えば相手のペース。そんな強みと弱みがハッキリ出た試合だった。工藤は前半の展開について「(鹿島は)前線のプレッシャーを非常にイヤがっていた。納得できる内容だった」と振り返る。柏は開始早々に失点を喫したものの、鹿島の守備を不安定な状態に追い込み、ひっくり返した。ボールを積極的に運び、相手に渡れば前から激しくプレスを掛けていた。落ち着かせるところは落ち着かせて、中盤やDFがポジションを取る時間も作れていた。
しかし、後半は歯車が狂った。ただ行ったり来たりの打ち合いになれば、それは鹿島のペース。距離が間延びしたことで、セカンドボールの確保も難しくなっていた。スペースが開けばカウンター、ドリブルといった鹿島の強みも引き立つ。鹿島の決勝点は豊川のオフサイドにも見えたが「何回かサイドを崩され、クロスを上げられる形からピンチになっていた」(鈴木大輔)ことは事実。柏は“何か”が起こりやすい状況を自ら招いていた。
相手を振り回して、相手だけが疲れているという“理想”の実現はまだはるか先だろう。選手が消耗する終盤になれば、得てして展開がオープンになっていくのがサッカーだ。そんな展開でもやれることはあるし、シーズンをとおせば悪い流れを耐えた試合もあった。しかし、この鹿島戦は「オープンな展開になるのが早過ぎた」(大谷)ことが尾を引き、耐え切れなかった。体力的な消耗が判断の落ち着き、精度も奪い、全体の歯車を狂わせた。
柏はJ1・2nd第10節・浦和戦(0●1)に続いて、終盤に試合を決める決勝点を献上。アウェイで歓喜をプレゼントする、いかにも未熟な試合だった。(大島 和人)