■京都サンガFC
2カ月間続く引き分けのトンネル。得点力不足快勝の兆しは見えた
2カ月以上にわたり、リーグ戦では白星も黒星も付かず。引き分けばかりが続き、前節の横浜FC戦(0△0)でついに04年の水戸以来となる8試合連続ドローのJ記録に並んだ。現在の順位が18位と残留争いからも抜け出せず、京都は「もう勝っていくしかない」(石櫃)状況だ。引き分けの連鎖を勝利で断ち切る。この切実なミッションに、首位・大宮が相手の一戦で挑むことになる。
引き分けが続いた8試合の戦績を見ると、スコアレスドローが4試合で、1-1が4試合。勝利が遠ざかっている原因が得点力不足にあることは明白だ。直近の3試合では攻撃の枚数を増やす[4-3-3]にシステムを変更し、ジョーカーとしての起用が続いた大黒を先発に戻すなど試行錯誤を重ねたが、1ゴールしか奪えなかった。だが、多くの決定機が生まれ、得点の予感を漂わせていた前節の内容は、好転の兆しと見ることもできる。「攻撃の回数をもっと増やすことと、精度を高めることしかない」(石丸監督)と指揮官も成熟度を上げていくことが現状を打開する道と腹を決めている様子。大宮の守備がここにきて不安定さをのぞかせているだけに、今節もチャンスは作れるはず。攻撃陣がここで結果を出せば、シーズン大詰めの戦いに向けて大きな自信になる。
守備に目を向けると、好調のGK清水を中心に“大崩れはしない”安心感があるのが、いまの京都だ。[4-3-3]で連動する守備も整備されてきているが、「システムを変えてから、自分たちの穴を突いてくるようなチームと当たっていない」(石丸監督)のも事実。大宮の強力な攻撃陣を相手にどれだけ対応できるかは未知数だ。展開によっては、打ち合い覚悟の開き直りが求められるかもしれない。(川瀬 太補)
■大宮アルディージャ
のしかかるプレッシャー。勝利への確信を持って我慢強く耐え切る
J1昇格・J2優勝を視界に捉え始めた時期から、大宮に掛かるプレッシャーは少しずつ増している。天皇杯でアピールに成功して前節・徳島戦(1●2)で先発のチャンスを得た大山は、「いざ試合に入ってみたら、掛かる重圧は大きかった」と振り返る。徳島戦は主導権を握ってゲームを進め、先制点も奪ったが、結果は今季初の逆転負け。これまでとは明らかに異なる流れに身を置いている。
前々節・熊本戦(0●3)の完敗に対して、徳島戦は自分たちがスキを見せたことによる自滅の感もある。良好な内容からの暗転はショックも大きかったが、いつまでも引きずっていても仕方がない。内容面の向上をポジティブに捉え、勝負にこだわる姿勢をより強く打ち出したいところだ。
長いシーズンを戦い、37試合を終えて大宮が首位に立っている理由の一つに、劣勢の試合でも勝利に結び付けてきた粘り強さがある。我慢する試合展開でもチーム全体が勝利への確信を持って耐え切り、流れを引き寄せた時間帯に得点を奪う形は十八番だった。しかしシーズン終盤に入り、同じパターンがハマる試合は減っている。「各チームが必死にやってくるので、上回るだけのモノが必要」(渋谷監督)。相手の勢いに根負けしているようでは、いつまで経ってもトンネルは抜け出せない。これまでに積み上げた結果と内容を意味のあるモノにするためにも、我慢強く戦う姿勢があらためて求められる。
苦境にあるのは事実だが、大宮には積み上げてきたモノ、立ち返る場所がある。自分たちでつかみ取った、首位という現在のポジションがある。油断は厳禁だが、過度に焦る必要はない。西京極で力の再証明を果たし、最後の試練を乗り越える。( 片村 光博)