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[G大阪]ACLで得た手ごたえと浮かび上がった課題

2015/10/23 10:48



「予選リーグも決勝トーナメントでも苦しい試合があって、それを乗り換えながらここまで来たので何とか優勝したかった」。本来はグッドルーザーであるはずの遠藤が、2度目のアジア制覇を逃した未練を隠そうともしなかった。

 日本勢では最もACLの出場経験が豊富なG大阪ではあるものの、長谷川監督が率いるチームでは初挑戦。グループリーグのホーム初戦・広州富力(0○2)でまさかの敗北を喫し、2敗1分けという瀬戸際に追い込まれながら、チームは大会を通じてその反発力と地力を確かに見せつけてきた。

 グループリーグではJリーグ勢が一度も勝利したことがない灼熱の地でブリーラムに競り勝ち(2●1)、決勝トーナメント進出への足がかりをつかむと、準々決勝第2戦(3●2)では韓国王者の全北現代から後半ロスタイムに勝ち越し点を奪い、Jリーグ勢として唯一となる4強進出を勝ち取った。「ACLで優勝したメンバーが数人しか残ってない状況の中で新しいガンバのプレーヤーたちがこういう素晴らしい大会を経験できたのは大きな財産になる」(長谷川監督)。主力では遠藤や二川、明神らしか経験していないACLの修羅場を、チーム全体で体感しながら、三冠王者はアジアでもその存在感を確かに見せ付けた。

 ブラジル代表経験者3人を擁するアジアの巨人、広州恒大の前に敗退したものの今野は、「それほど大きな差はない。全然優勝は狙えると思うし、もう少しのところまで来たと思う」。そして遠藤も「広州恒大に対して劣っている点はそれほど多くはない」と言い切った。

 ただ、同時に百戦錬磨の司令塔は素直に負けを受け入れる。「アウェイは先制しながら守り切る力が足りなかったし、今日の試合でも点を奪って勝ち切るぐらいにレベルアップをしないといけない」(遠藤)。

 いかに三冠王者といえども、3年ぶりの出場で簡単に頂点に立てるほど、もはやアジアの戦いは甘くない。新スタジアムの稼働に向けて、過度の選手補強を敢行できなかったチーム事情があったのは事実だが、アジア制覇を果たせる選手層は今季のG大阪に備わっていなかった。「僕らにはお金で買えない組織力がある。健太さん(長谷川監督)が積み上げて来たサッカーは十分に通用する」。丹羽の言葉に偽りはないが、世界屈指の金満集団を相手にした準決勝でチームの限界も露呈した。

 丹羽が不在だった準決勝第1戦(1○2)では劣勢の展開で粘れず、痛恨の勝ち越し点を献上。ホームでは高い個の力を持つ最後の壁を崩し切る個の力を欠いていた。 指揮官と選手がうっすらと視界に捉えたアジアの頂。決して上り切れない高みではないだけに次大会では本気の選手補強が不可欠だ。「ここまで良いチャレンジができたのは前向きに捉えたいが、やるからにはチャンピオンを目指したい」(遠藤)。

 15年10月21日の悔しさは、近い将来のアジア戴冠につなげればいい。(下薗 昌記)

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