横浜FMのプランにハマった川崎F。決定機は訪れず
堅守のDNAを、川崎Fはホームで痛感した。横浜FMは序盤から中央に堅牢なブロックを作り、川崎Fの中の進路を遮断。ファビオと中澤という高い守備力のCBに加え、三門と喜田というチームのために働ける汗かき役の二人が構える中央の進路に割って入ることができず、普段よりも早めに両サイドへ“逃げる”展開に。「サイドからうまく崩せば良かった」と小林悠は語るも、その小林悠の位置である右サイドに対して横浜FMは人数をかけてコースとスペースを遮断し、ほんのわずかなパスのズレも許さないシチュエーションを作り出す。逆に左サイドは余裕があったものの、中野のドリブルは不発。対面の小林祐三が焦れずに対応し、川崎Fは全方位からの攻撃を完全に塞がれていた。一方、横浜FMは守から攻に移る際にGK飯倉の憎いフィードや中村俊輔のサイドチェンジで敵陣に押し込み、齋藤やアデミウソンの爆発的な個の推進力で得点を狙う。そして39分、飯倉のキックを起点に川崎F陣内に入り込むと、左サイドでFKを獲得。名手・中村俊輔が蹴ったボールを中央で難しい体勢ながらもファビオが合わせて横浜FMが先制点を奪取。完全に相手のプランに引き込まれた川崎Fは後半、ほぼ敵陣でゲームを展開するも「コンパクトな守備ブロック」(エリク・モンバエルツ監督)を崩さぬ相手の守備を前にビッグチャンスを作ることができず。75分に飯倉に防がれた車屋のシュートも“決定的”とは言い難く、相手の対策を上回ることができぬまま、90分を終えてしまった。
「こういうサッカーをやる以上、最後の冷静さも技術もそうだし、そこを追求していく以外ないと思う。それに、こういうサッカーで勝ちたい」。チームの思いを代弁する中村憲剛のこの言葉、そして、攻撃的なこのスタイルには賛同だ。ただし、結果を求めるサポーターの思いとの折り合いをつける難しさも、そこには存在する。(竹中 玲央奈)