松本にとって悪夢の10分間。鳥栖が逆転で残留決定
降格圏脱出のためには残り3試合で神戸との勝ち点差5を逆転しなければならない厳しい状況の松本。そんなチームを後押ししようと、今季ホーム最終戦となったアルウィンには17,000人を超えるサポーターが駆け付け、スタンドは緑色に染まった。相対する鳥栖は勝ち点3を得ればJ1残留が確定する立場。その意味でアウェイチームには精神面で余裕があり、ホームチームとしては常に先手を打つことで試合のイニシアチブを握る必要があった。
試合が動いたのは、スコアレスのまま迎えた後半から。戦前からの予想どおりボールが行ったり来たりする展開となる中、65分に松本・岩上の素早いスローインからボールを受けた田中が右サイドから中央に低いクロスを供給。反応した安藤がペナルティーエリア内へ走り込んだところを、鳥栖DF丹羽が倒してファウルの判定。スタジアム中の視線が注がれる中、オビナがその重圧をはね除けてゴールネットを揺らした。
しかし、ここから鳥栖の反撃が始まる。まず77分にやや遠い位置からのFKで、豊田が落としたボールを谷口がヒールキック。これが松本ゴールに吸い込まれると、勢いに乗った鳥栖はさらなる猛攻をしかける。3分後の鎌田のシュートはバー直撃となったものの、試合終了目前となった87分に水沼がエリア内で豊田とのワンツーで飛び出し、勝負を決める2点目を流し込んだ。「空中戦で挑むのも一つ(の手)だったが、逆にそれプラス地上戦でも勝負したい」という試合後の森下監督の言葉どおり、同点ゴールを空中戦(セットプレー)、逆転ゴールは地上戦(ワンツーでの中央突破)で挙げた鳥栖がJ1残留の切符を手にした。(多岐 太宿)