それは“この人が点を取ればチームが活気付く”という気づかいだったのかもしれない。71分、名古屋のPK。本来のキッカーである闘莉王は、負傷明けで「何もできていなかった」永井にボールを渡した。
戦力が戻り、序盤から攻撃的に出た名古屋だが、「その裏腹に、カウンターという新潟の特徴を生かされる」(西野監督)展開。人をかけて決定機を作った反面、最終ラインだけでカウンターの対応を強いられる場面も多く、45分にはカウンターから先制を許してしまう。それでも「リスクを負わないとチャンスも生まれない」と田口が振り返るとおり、潮目を変えたのはアグレッシブな気持ちだった。71分、攻撃参加の回数を増やした田口がPKを獲得すると、永井が決めて同点。74分には永井のパスを受けた田口が、爽快なミドルシュートを突き刺す。再びカウンターから同点とされたものの、迷いの消えた永井の快足から勝ち越し点とダメ押し点が生まれた。新潟にしてみればミス絡みのPKでリズムを崩す「自滅」(柳下監督)だったが、リスクを冒し続けて流れをひっくり返したところに名古屋の力強さがある。
中心にいたのは田口と永井。次世代を担うべき役者であることを、彼らはプレーと結果で示した。(村本 裕太)