1点差まで追い上げての惜敗。この浦和戦は「何が何でも勝ちたかった」(東)という試合である。僅差でも大差でも、勝たなければ意味がなかったことは試合後の選手の呆然とした表情が物語っていた。
絶対にやってはいけない試合展開だった。前半早々に立て続けに2失点。一時はスコアを1-4にまで突き放された。「いまのFC東京はこういうサッカーをしてきていない。打ち合いは浦和のほうが慣れている」(東)と選手が省みれば、ベンチ前で常に大きなアクションで指揮を執ったマッシモ・フィッカデンティ監督も「シーソーゲームは慣れていない。大味な展開は好きではない」と漏らした。守備網が簡単に決壊していくようでは、この約2年間、イタリア人監督の下で形成してきたディフェンシブなチームに勝ち目はない。
2nd第13節・広島戦(1○0)も重要な一戦だったが、この試合は虎の子の1点を守り切った。これこそ、現在のチームができる最高のパフォーマンス。反対に強豪相手に自分たちの特長をまったく発揮できずに脆くも崩れていく試合がマッシモ・トーキョーにはある。この試合も浦和に裏のスペースを好きなように突かれていく展開。「こちらが準備してきたその上をいく攻撃を浦和にされた」(森重)。3度、4度と続いたシステム変更で何とか対応力を上げていったが、やはりマークをつかみ切れなかった前半のバタ付きと連続失点は、何より致命的だった。
勝ち切れない。いや、負けてはいけない試合で負けてしまった。ここに、こんな数字がある。6勝7分11敗。J1の中で上位層のライバルクラブ(鹿島、浦和、川崎F、横浜FM、G大阪、広島)との2年間のリーグ戦対戦成績である。24試合中、勝利はたったの6勝。汗をかき、がむしゃらに走り、守り続ける。それを貫く選手たちの我慢と忍耐は本当に素晴らしいが、その結果がこの数字でもある。クラブ歴代最高勝ち点を記録しても、上位対決を制さなければタイトル獲得へは近付けない。それが、マッシモ・トーキョーに突き付けられている現実である。(西川 結城)