この日も千葉は戦う姿勢を見せられず、状況を改善するためのコミュニケーションを取ることができなかった。試合後にミックスゾーンに出てくると、水野は言葉を選ぶように「厳しいね」と発したが、その表情には悲壮感すら漂っていた。
「ピッチ内でもっとお互いがしゃべってコミュニケーションを取っていかないといけない。いくら終わったあとに話し合っても負けたあとでは意味がないし、試合の中で修正をしていかないといけないと思う」という水野の言葉どおり、この試合でもコミュニケーション量の少なさが目立った。岐阜を相手に序盤からなかなかリズムをつかめない状況だったにもかかわらず、ピッチ内で意見を出し合うシーンはほとんど見られず。最後まで修正を図ることができなかったのも当然だった。
先制点を許した場面も、戦う姿勢の欠如から起こった。金井がイージーな形でCKを与えると、あっけなく失点。「1点を取り返したいというのを体や声で表すことが明らかに足りなかったし、あの場面でみんながもう一度というふうに思わないと1点は取れない」と佐藤勇が言うように、先制点を許した直後、センターサークルへ急いでボールを戻す選手は一人もいなかった。「(交代後)外から見ていても、下を向いてしまい誰一人切り替えようとしていなかった」(佐藤勇)が、戦う姿勢を見せられないのであれば、ピッチに立つ資格はない。どんな状況であれ、あきらめてしまえば、試合はひっくり返せない。それが、今季1度しか逆転勝利を達成していない最たる理由だろう。
J1昇格プレーオフ圏外の8位に転落し、今節の敗戦でJ1自動昇格の可能性もついえた。「仲良しチームでは勝てない。喧嘩しろと言わないけど、(チーム内で)言い合って修正していかないと」と水野も現在のチーム状況に警鐘を鳴らす。プロサッカーチームに選手同士が馴れ合うことなど必要ない。この事実を理解しなければ、J1昇格は遠のいていくばかりだ。(松尾 祐希)