長崎との対戦は、またしても難しい時期にやってきた。前回対戦(第21節・1◯0)は東京Vに完敗(0●2)して無敗記録がストップした直後、そして今回は4試合勝利なしで後続との差を縮められた状態で迎えることになった。
前回対戦は内容的にはほとんど良いところがなく、一つのゲームとして切り取れば凡戦の類だったかもしれない。しかし、苦境からの脱出という意味では理想的とも言えるモノだった。度重なる相手の猛攻を水際で体を張って防ぎ、セットプレーのワンチャンスで手に入れた虎の子の1点を全員で守り切る――。泥臭く勝利だけを目指して得た成功体験は、そこから続く8連勝の礎となった。渋谷監督は「勝ちにこだわったゲームだった。向こうは『これで負けちゃうのか』という感覚だったと思う。逆に言えば、(大宮は)それくらいバランスを取ってやれていた」と前回対戦を振り返る。どのような展開になっても勝利を手繰り寄せるパワーと、相手にスキを与えないバランス。その二つを再び手にすることができれば、今後の戦いにも大きなプラスになるはずだ。
あれから4か月。互いのチーム状況は当然変化しているし、内容もまったく同じにはなり得ない。それでも、大宮が示すべき姿勢は変わらない。ひたすら勝利にこだわり、水も漏らさぬリスク管理を徹底すると同時に、やみくもに攻めるのではなくワンチャンスへの集中力を高めたい。もちろん、ここ4試合のチームに同様のメンタルがなかったとは言わない。ただ、現在は歯車が少しずつかみ合わなくなり、迷いが生じているような状況だ。長崎という相手を前にするからこそ、苦境から立ち直った前回の記憶を呼び起こし、ラスト4に向けて再び顔を上げるために戦うべきだ。(片村 光博)