選手が11人いるチームは、10人のチームと76分間戦い、0-3で敗れた。磐田を襲った、24分の森下の退場、41分のジェイの負傷交代。東京Vにとって有利な要素が重なったように見えたが、結果的にはそうはならなかった。11対10になったことで、磐田はアダイウトンを生かしたカウンターに狙いを明確化でき、そのためには献身的な守備と1.5列目あたりで起点になる森島の存在が非常に効果的になった。
しかし、そうは言っても、間違いなく優位な状況にあったのは東京Vである。それを自ら手放したのだ。森下のハンドで得たPKを南は決めることができず、後半への“緩い”入り方から49分に失点すると、二人付いていたマークをアダイウトンにかわされて、61分には2失点目。数的優位の東京Vが先制できていれば、磐田は人数が少なくてもリスクを冒し前がかりにならざるを得ず、「(後半の)立ち上がりの20分くらいまで0-0で行っていたら、だんだん押し込んで、となっていたかもしれない」(南)。ビハインドも1点のまま推移できていれば、少なくとも同点にするチャンスは十分にあった。試合の行方を左右する局面で、東京Vはことごとく失態を演じている。
少なくとも、後半も前半のように一人少ない相手をパスで動かしていけば、時間が経つにつれて息切れする可能性が高かった。交代のカードも磐田は残り1枚である。だが、余裕のあるはずの側が、リスクの高い縦パスや不用意な横パスでカウンターを誘発。「持たされているから、それに対してウチは勝手に自滅してしまう」(井林)。苦しい磐田を東京Vが助ける格好になってしまっていた。澤井は端的に言う。「単純に一人多かったときに、一人多いサッカーをできなかったことが敗因だと思う」。
残り3試合、状況に応じてより最適に近いプレーをすることが、チームと個人には求められる。J1昇格プレーオフ圏入りのために必要だと考えている勝ち点は『64』。そのためには、最低でも2勝1分という結果が必要になった。(石原 遼一)