■ヴィッセル神戸
ミスを恐れず臨むことができる真剣勝負
前節・山形戦(3○1)に勝利したことで、神戸は今季のJ1残留を決めた。だが、開幕前にチームが公言した目標(タイトル獲得)と現状は著しく異なっており、クラブハウス周辺から協和の音色を聞くことに難しさはある。ただ、リーグ戦はまだ続き、サポーターが勝利を願って詰め掛ける舞台は、歓喜を呼び起こす90分でなければならない。3日の全体練習に参加した奥井は話している。「(松本)山雅、(最終節・)浦和にとっては消化試合ではないし、気持ちも入って試合に臨んでくる。相手は真剣、僕らも真剣。やり甲斐がありますね」。選手の士気は旺盛だ。
試合のない週を挟む中、チームは通常の練習を精力的にこなしてきた。プレッシャーから解放されたいま、どんなサッカーを見せるのか。森岡は言う。「自分たち主体のサッカー、その時間帯を増やしたサッカーがしたい」。岩波は優勝もチャンピオンシップ出場もない中で、「逆に思い切ってできる。ミスを恐れずにやりたい」と意気込んだ。
この中断期間は2トップや3トップの形を満遍なく実施している。松本の3バックを二人のFWで監視し、1トップを二人のCBでケアする[4-4-2]の布陣で挑むのか、[3-4-2-1]の布陣を軸に相手のマークに応じて変則的にハメるのか、今季何度も披露されてきた指揮官の守備戦術にも注目したい。 今節、神戸が勝利すれば必然的に松本の降格が決まる。ただ、渡邉は「相手は関係なく、僕らも勝ちたいと思っている」と強く話し、リーグ戦のホーム最終戦という位置付けだが、「最後だからではなく、純粋に勝ちたい」ことを強調する。神戸に勝ち点3を譲る気持ちは毛頭ない。(小野 慶太)
■松本山雅FC
それでも自分たちの戦いを貫く
求められるのは大量得点した上での連勝で、さらに新潟が連敗するという他力本願の要素も必要。可能性は限りなく少ないのかもしれない。それでも自らのサッカー人生のために、何より声を枯らして声援を送ってくれるサポーターのために。わずかに残された可能性を手繰り寄せるための残り2試合だ。
しかし、神戸戦を前にチームは痛恨の事態に直面している。10月31日の清水とのトレーニングマッチでオビナが負傷。今週は別メニュー調整でグラウンドにも姿を見せておらず、今節の出場は微妙な情勢。開幕から前線の核として機能し、前回対戦時(1st第12節・2○0)では阿部のダメ押し点をアシストする活躍を見せただけに、その存在を欠くことは率直に痛手と言わざるを得ない。
それでも「オビナがいなくても、チームとしての戦い方は変わらない」と指揮官が断言するのは決して強弁ではない。神戸もまた負傷者の頻発している状態ではあるが、好調を維持する渡邉と森岡が攻撃面のキーマンとなることは間違いない。今週のトレーニングでは両選手の特長をインフォメーションし、「攻守に渡って、試験でいうところの“傾向と対策”はしている」(反町監督)と話す。守備からリズムを作り、少ないチャンスを確実に得点へとつなげる。「やはり最初は勝つことにこだわらなくてはいけない」(前田)、「点を取ることを考えないといけないが、あくまでもバランスが大事」(阿部)と選手たちも異口同音に語るように、自分たちの戦いを見失って、バランスを崩すことはしない。
新潟との得失点差を考えると大量得点の欲しい状況ではあるが、まず狙うのは勝ち点3だ。(多岐 太宿)