■ジェフユナイテッド千葉
総力戦で勝ち点3を獲得し、再び希望の光を灯せ
前節の札幌戦(2●3)ではラストプレーから失点。痛恨の逆転負けで、順位は6位・長崎と勝ち点3差の8位に後退した。残すはあと3試合。これ以上勝ち点を離されてしまうと、J1昇格プレーオフ進出は絶望的となる。しかし、6位・長崎と勝ち点で並ぶ7位・東京Vとの直接対決を残していたことが、千葉にとっては救い。「われわれの頑張り次第で変えられる状態。この試合はモノにしないといけない」とパウリーニョの言葉どおり、勝利すれば他会場の結果次第では6位浮上が可能だ。
今季最大の山場を迎えた千葉だが、チーム内に重苦しい雰囲気は漂っていない。「(札幌戦では)2点取れたことは良かったし、失点してからも相手に向かっていく姿勢は今までよりあった」とGK高木が話すように、特に前節は2度のリードを奪えたことがチームの自信になっている。今季の千葉は失点直後に下を向いてしまうことが多かっただけに、メンタル面の改善が見られた意味は非常に大きいと言えるだろう。
得点を奪い返しにいく気概が見えたとはいえ、守備陣は無失点でしのぐことが求められる。「DFがしっかりと相手FWに当たりにいかないとダメ。そうしないとゾーンとか組織の中でプレーをさせてしまう」(高木)と言うように、1対1で東京V攻撃陣に競り負けないことがポイントになるだろう。幸い、今節はコンディション不良だったキム・ヒョヌンの戦列復帰が濃厚。対人プレーに長けた守備の要が、千葉にとって大きな戦力になることは間違いない。守備からリズムを作り、得意のショートカウンターを発動させれば勝ち点3は尾自ずと見えてくる。ただ、前節の札幌戦で負傷交代した水野や、第35節の愛媛戦(1○0)で負傷した井出は別メニュー調整が続く。現時点で出場が不透明のため、谷澤や田中といったベテランの力も必要になる。今節は総力戦で勝ち点3を奪い、希望の光を再び灯してみせる覚悟だ。(松尾 祐希)
■東京ヴェルディ
前節の反省を生かした、成熟した戦いが求められる
“決戦”、あるいは“天王山”。千葉にとっては間違いなくそうだろう。負ければ、東京Vとの勝ち点差が『6』となり、J1昇格プレーオフ圏入りは、絶望的になる。ただ、現在7位の東京Vにとっては必ずしもそうではない。敗れても、千葉に勝ち点で並ばれるだけである。もちろん、終盤になって結果が出せていないという観点から見て、流れ、勢いという面では状況はより厳しくなる。とはいえ、長崎と愛媛も対戦カードを見ると非常に難しい試合が残っている。今節は大きな重みを持っているが、極端に入れ込んでしまうほうが問題だろう。「できれば(勝ち点)『3』が欲しいけど、別に『1』でも良いと思っている」と言う冨樫監督も「もし、最悪のシナリオがあっても、多分ほか(のチーム)次第だと思う。長崎が負けるとか。愛媛も負けたら、ジェフだけが(プレーオフ出場権争いに)入ってくる。勝ち点的に、ゴチャゴチャになるだけだから」と冷静に計算を立てている。
試合に入れば、気持ち的に「(負けたら)終わりではないけど、そのくらいの気持ち」(三竿)は必要だ。しかし、試合へ入り込み過ぎて、一つひとつのプレーに焦りが生まれては、千葉をラクにさせてしまう。「前半戦は非常にリスペクトした中でサッカーをして、良い試合をできたので、いまは順位が上だけど差はないので、上から目線みたいになったら絶対にダメ。上のチームだと思ってやる必要がある」(三竿)のは当然のことであるが、キックオフ前の段階で優位なのは間違いなく東京V。「個の能力が高い選手が多い」(井林)相手に対して、幸い、打撲の高木大以外は、ほぼベストメンバーで臨めそうで、“らしさ”を発揮できる条件は整っている。退場者とけが人を出した相手に敗れた前節・磐田戦(0●3)の反省を生かし、今節はしっかりとアドバンテージをモノにしたい。難敵に対し成熟した戦いを見せられれば、今後に向けて勝ち点3以上の価値が生まれるはずだ。(石原 遼一)