J1昇格プレーオフ進出に向け、ともに負けることが許されない一戦。生き残ったのは札幌だった。前半ラストプレーで宮澤が先制点を奪い、後半立ち上がりには都倉が加点。今季は中盤戦以降、試合運びに狡猾さを欠き、勝ち点3を取り逃し続けてきた札幌が、肝となる時間帯にしっかり決定機をモノにする戦いぶりでJ1昇格プレーオフ圏内の6位に迫った。
目を見張るのはサイド攻撃の充実だ。夏場の監督交代以降、攻撃のパワーバランスを高めながらもクロスの精度不足や、連係面の不備からチャンスの山をフイにし続けてきた。それがここ最近では堀米、石井を左右両ワイドに固定したことでフィニッシュの質が向上。「練習の成果が着実に出てきている」と四方田監督も手ごたえを口にする。
残り2戦で6位以内に食い込むのはそう簡単なミッションではない。連勝が求められる。しかし「厳しい立場だが、全勝してプレーオフに行けたなら、僕らが一番勢いがあるはず」と殊勲の先制点を挙げた宮澤。この日はリーグ戦初出場を果たしたCB永坂が好守を見せるなど、新風もチームにさらなる勢いをもたらす。繰り返しになるが、この勝利が必ずしも状況を一変させたわけではない。だが、変わらず苦しい立場ゆえ、他チームの動向を気にすることなく、一戦必勝にすべての力を注ぐことができる。混戦馬群の大外から、一気に札幌がまくるかもしれない。(斉藤 宏則)