残留争いの一戦に、「お互いに硬くなっていた」(大久保)。互いにつなぎのミスから奪われるリスクを嫌い、低い位置から前線にロングボールを蹴り出し、サイドに起点を作ってクロスを送り続けた。横浜FCはサイドハーフに野村、小野瀬のドリブラーを配して「左右のスペースを狙った」(中田監督)。大分は2トップに伊佐と三平を起用し、最終ラインの裏を狙う。しかし、雨でスリッピーなピッチにどちらも精度を欠き、硬さからミスも多く、チャンスは少なかった。
勝負を分けたのはセットプレー。「セカンドを拾われてからのクロスにしっかり対応しよう」(柳田監督)と警戒していた、まさにその形だった。53分、FKから大分のクリアを拾った中里のクロスに、アン・ヨンハが飛び込み、横浜FCが先制。その後、大分はエヴァンドロ、パウリーニョをピッチに送って反撃に出るが、横浜FCは南を中心に体を張ってゴールを死守。退場者を出しながら、最後は5バックに加えて大久保までが最終ラインに下がって守り切った。
決定機の数では大分のほうが多かったが、放り込みしかない状況でボールを回していた試合終了の瞬間に象徴されるように、チームとしてチグハグだった感は否めない。前半から不安定だったパク・テホンのところに、早い時間帯からエヴァンドロをぶつけていればどうなっていたか。ともかく横浜FCは残留を確定させ、大分は自動降格も現実味を帯びてきた。(芥川 和久)