勝ち点を分けた二人の指揮官が試合後に見せた複雑な表情や戸惑いの言葉は、それぞれの立場で感じる“難しさ”の表現だったという点で共通していた。
北九州の柱谷監督は選手のモチベーションアップの難しさを強調。J1クラブライセンスを持たず、昇格プレーオフ出場の権利がない状況で、左SBが定位置の川島をMFに、弓崎を左SBに置くという変化による刺激や、勝てば自分たちがどの位置に行けるかをボードで具体的に示すなど、士気を高める工夫をこらすも効果は得られず。選手から積極性を導き出したのは1点ビハインドという現実だった。
栃木の倉田監督は重圧の掛かる試合の締め方の難しさを痛感した様子。同点とされたのち、約30mの地点から荒掘がスーパーミドルを決めて勝利への格好の流れができたが、ラストワンプレーで痛恨の失点。2試合連続で後半ロスタイムに勝利を逃したことに戸惑いを隠せない倉田監督の心情は理解できるが、原因を指摘できないわけではない。倉田監督も認めた、後半立ち上がりから同点とされるまでの出来の悪さもそうだが、何より最後のCKの場面での対応が惜しい。この日、北九州の右CKのキッカーを務めた川島は徹底してニアサイドにボールを蹴っていた。もちろんチーム分析の結果による選択だったが、栃木に対抗策は見えず、ボールがニアから小松のいる中央に流れることを防げなかった。(島田 徹)